14/02/21
15年くらい前に爺ちゃんから聞いた話(うろ覚え)
爺ちゃんは日中戦争でシナに配属されてたんだけど、太平洋戦争が始まって南方に派遣されたらしい。その時の南方の島(オセアニア周辺か?)での話。
爺ちゃん達の支隊が島を調査していると、現地民の集落を発見。おそるおそるピジン・イングリッシュで話しかけてみると、通じたので一安心。
現地民は好意的で、お祭りを開いて歓迎をしてくれると言う。日本軍は南方では漁を教えたり、畑を作ったりしていたので、原住民から歓待を受けることは結構あったらしい。
(なんか来訪神信仰とかもあって、あちこちで歓迎を受けてたそうだ)
だから爺ちゃん達も警戒を解いて、歓迎に応じた。集落の中で宴会が始まると、魚やら果物やらが次々と運ばれてくる。
(余談だけど、バナナの葉で包んだ魚の蒸し焼きが死ぬほど美味かったそうだ)
ところが、その中に奇妙な肉が混じっている。バナナの葉で包んだ肉の蒸し焼きなんだけど、明らかに髪の毛のようなものが生えている。
村人に何の肉だと聞くと「長い豚の肉だ」という返事が返ってくる。
もともと、南方の島には食人の風習が残っているという噂があったため、爺ちゃんたちはすぐに察して帰ろうとする。
軍の任務に戻るとか、適当な理由を付けて別れを告げると、村人たちは名残惜しそうに果物をお土産として持たせてくれたそうだ。
ただ、何を思ったのか爺ちゃん達は「長い豚の肉」の正体を確かめたくなった。帰ったふりをして近くに潜んで、集落を監視。
村人が集落から出ていくのを見て、「肉を取りに行くんだな」と思い尾行したそうだ。
するとたどりついた先は森の中の洞穴。村人がそこからバナナの葉に包んだ肉を持って出ていくのを見てから、中に忍び込んでみた。
洞窟は結構広くて、奥の方から物音がするので探索してみた所、人間牧場があったらしい。
広いスペースの中に四つん這いになった人間が二十人くらいいて、真っ白でブヨブヨした人型の化け物が棒でそれを叩いていたそうだ。
その光景を見た瞬間、爺ちゃんは驚きすぎてぼうぜんとしてしまった。人型の白い化け物も爺ちゃん達に気付いて、目が合うんだけど、向こうも「え?」みたいな顔をして驚いていた。
白目とか瞳孔とかない、真っ赤なギョロギョロした目が洞窟の中で光ってたそうだ。爺ちゃんいわく「あれは絶対人間じゃねえ」とのこと。
最初はお互いに唖然としてたんだけど、次第に化け物の目玉が吊り上ってくから、爺ちゃんも「あ、これは怒ってるんだな」と我に返って、その場から半狂乱で逃げ出したらしい。
ほうほうの体で大隊の本部に戻って、将校に事と次第を報告したんだけど信じてもらえなかったそうだ。
ヒロポンでもやってたのかと笑われて、爺ちゃんも仲間たちもムッとしたらしくて、次の日に集落と洞窟を探したんだけど二度と見つからなかった、とのこと。
今でもあの集落と洞窟の光景がなんだったのかわからない、って言ってた。
コメント
コメント一覧
20世紀初頭には絶滅したものと思われていましたが、太平洋戦争の時点でも生き残りの個体がいたんですね。
興味深い報告ですが、さすがに現在では完全に絶滅しているのでしょうね。
投稿者殿の祖父殿も、失礼ながら、ひょっとしたら吉田清治並みの虚言癖があった可能性も捨て切れないと思います。
罪悪感のない原住民に、隠蔽する必然はない
次から、”怖くなって火をつけて逃げた。罪悪感で、本土に復帰するまで誰にも言えなかった” くらいにしとけ
この肉屋か牧羊犬みたいな扱いの「白いぶよぶよ」ってホントに何それ?
怪異?
UMA?
肉屋星人?
島嶼という環境から推測すると、他島から野生種を捕獲し、一時的に馴致していたものと思われる。
なお、飼育場所に洞窟を選定する理由等、その風習には信仰も含め未解明な点も多く・・・
その井戸の中にいた生き物ともしかして同じなんじゃないの??
何代にも渡って日の差さない暗い洞窟で、それも数少ない人数で暮らしてたら、当然近親交配で遺伝的にアルビノしか産まれなくなるだろうと思う。
どういう理由で、集落の島民の為に、食用人間を飼育していたのかが謎だが、両者の間に何らかの利害関係があるのだと思われる。
信じるか信じないかは、アナタ次第‼
食人の文化があるくらいだから食べやすいように人間を品種改良していたのかも。
こういう話、どこかのサイトで見た覚えがあるけど、こういう話は面白いね。いい感じで不気味な話でとてもいいと思う。
できれば後日談みたいなのがあっても良かったなあ。
戦争帰り嘘つきジジイ系の話って夢があっていいよね。
虚構の意味をしらべちゃったよ。
あー怖い怖い
ビックリだよ
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