11/07/10
いきつけの居酒屋であった話。
5年ほど前、ある変わった常連客がいた。身なりのきれいな中年の男で、いつも焼き鳥数本と瓶ビールを頼み、小一時間で帰る。
何度もカウンターで隣になったが、話しかけても無視される。マスターとも注文以外の会話はなく、無口な男だな、くらいの印象しかなかった。
しかしある日、後から入ってきた他の常連客に向かって男か突然怒鳴った。今すぐ家に帰れ!女房を病院に連れていけ!と。
常連客は取り合わず、しかし男は訴えかける。だんだん口論気味になってきたところで、マスターが制止した。
常連客が家に電話すると、女房は早々に寝てしまったとのこと。俺たちはなんだか嫌な感じがして、常連客を説得し帰らせた。
俺が男にどういうことかたずねると、いつもこうだ、、みたいな愚痴っぽいことをぶつぶつといい、お代を払い帰ってしまった。
後日、先の常連客から聞いたところによると、女房は軽いめまいを感じ、大事をとって横になっていたという。店での一件もあり、なにか不気味に感じた常連客は女房を病院に運んだ。
病院で症状を話すと、すぐに様々な検査が行われ、なんと緊急手術となってしまった。くも膜下出血だった。
手術は成功し、目立った後遺症もなく、女房は無事回復したが、医師はこの状態でよく気がついた、大概もう少し進んでから来るものだ。しかし、それでは手遅れなのだが。というようなことを語っていたという。
男はその夜以来店には来なくなったらしい。マスターが言うには、
・たぶん男には予知能力みたいなものがある
・しかし、それのせいでなにか損をしてきた過去があり、塞ぎこんでいたんだろう
・どういうわけでうちの店に通ってくれていたのかはわからないが、会話しないとはいえ、よく顔をあわせる同じ常連客の不幸を黙ってみてはいられなかったのだろう
・なにか詮索されるのを嫌がり、来なくなってしまったのだろう
考え過ぎだとは思うが、そう思うとなんとなく筋道が通るような気もする。もちろん、こういった場でしか話せない、とりとめもない話なのだが。
男は嫌がるだろうが、出来れば詳しい話を聞いてみたかった。
コメント
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と言う話を思い出した。
料理や店の雰囲気等に文句つけない。
すぐ帰る。
たぶんツケ払い等は1回もなく常に現金決済。
良い客だ!
この店は宝にも等しい上客を失った!
だからいつもそうなんだよ。
瘤が破裂する前は頭痛はさほどじゃなく、目眩とかがある、だから破裂まで気づかない事がある
あと、最初の破裂ならまだ助かる可能性がある。再破裂はヤバい
破裂したら安静にさせて、体への衝撃を避けて大至急救急車、光の刺激も破裂を誘発することがあるから目にタオルなどかけてあげるといい
彼に幸あれ。心優しき彼に救いあれ
何カッコつけてんだよ!(笑)
その常連さんは透視能力があったんだろうね。
夜間救急の患者さんが目まい位しか症状ないのに検査して手術までしてくれて
私の住んでる所の夜間救急センターなら適当な薬渡されて、治らなかったら朝一で病院に受診しろって言われ帰らされると思う
脳外科のドクターが当直医とか、救命センター併設の病院とかだとわりとしっかり検査してくれるよ、夜間でも
無論そういう病院でもあっさり帰す場合も十分あるだろうけど
彼に幸あれ。心優しき彼に救いあれ
↑
ギャク?(笑)
救急車で運ばれる人は状態によって適切な病院に担ぎ込まれるからきちんと検査や手術してもらえると思う
無用の開頭手術をされて重い傷害が残った知人がおる。
ウチの親父の場合も頭部のケガだったけど、
その救急病院が当時いっぱいで受け入れてもらえず、
ちょっと離れた大学病院で処置してもらって無事に復帰したわ
「あそこでなくて良かったねぇ」と何人も言われたしw
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