
誰も信じないだろうから誰にも言ってない、悪魔みたいなものを殺した話。実話。
自分はとある飲食グループの販促部でカメラマン兼デザイナーという名の便利屋をやってる。
当時は結構激務で寝る暇がないことも多々あり、その日も日曜の夜だというのに、自室に籠ってイラストレーターとフォトショップでチラシを作っていた。
夜中1時頃、もう終わる、というところで、扉の向こうから母の呼び声がする。
「ごはんできたよ~」
ああなんだ飯か。行かなきゃ。そう思って「ファイル」「保存」。バーが伸びて、保存終了。
「ごはんできたよ~おいで~」
そこで気づく。声は間違いなく母のものだが、この声の持ち主は絶対に母じゃない。絶対に違う。その前に、今この家には自分以外誰も住んでいない。
両親は祖父の家をリフォームし、そこで暮らしている。自分が気づいた瞬間から、声が変わる。だんだん野太い男のものになっていく。
ごはんできたよ~ごはんできたよ~ごはんできたよ~
最後のよ~は声というよりただの濁った音だった。
声が聞こえなくなり、我に返り、逃げないと、と思ったとたん、今度は身体が動かない。
椅子に腰かけ、キーボードに中途半端に手を添え、顔は扉の方に向けたまま指一本動かせなくなってしまった。何が起こっているのか全く理解できなかった。
扉のノブが回った。キィと鳴って扉が開く瞬間が、今思えば一番怖かった。心臓が潰れるかと思うくらい。
部屋に二人の男が入ってきた。背の低い小太りと、背は普通でガリガリの二人組。両者とも30代くらい。
小太り:マフィアが被るような茶色の帽子。上下スーツ。黒縁眼鏡。白目がなくて黒目だけ。
ガリガリ:ざんばら髪。ルパンみたいな手足。だらんとした白シャツにジーンズ。血走った眼。知能が失われたような顔。
この二人を見てすぐに、自分はもう助からない、死ぬしかない、と一瞬で自覚できた。恐怖が一瞬で引いて、ああもう死ぬわ、どうにでもしてください、と心の底から思った。
そしてなぜか確信した。こいつらは人でも、幽霊でもない、神のようなもの、つまり悪魔だろうと。見た目はただの人間なのに、なぜそう思ったかは分からない。
壁にもたれながら、小太りの方が自分に話しかけてきた。口は動かさず、心に直接声が響いてくる。これも自然に受け入れることができた。
分かっていると思うが、お前はもう助からない。それは決まっている。その前に答えろ。
そのような意味のことを言い、質問をされた。それに自分は抵抗もせずすんなり答えていった。
目の前の悪魔と、もっと話したいような気にすらなり、意識を自分から外に開いていた。
不思議なんだが、何の質問をされたのか自分が何を答えたのかその部分だけがすっぽり抜け落ちて思い出せない。答えてしまったことだけ覚えている。
質問と回答は全て心の声で行われた。
質問が終わると、小太りの男が一瞬眉をひそめて「ん?」という顔をした。自分には聞こえなかったが、小太りには誰かの声が頭の中に聞こえているようだった。
小太りがめんどくさそうな顔をして、おもむろに部屋を出て行った。いなくなるとすぐに身体が少しだけ動くようになったが、同時にひどい倦怠感が襲ってきた。
かろうじて顔を動かすと。壁にもたれていたガリガリが腰を下ろし、床に体育座りをして、無表情で自分を見上げていた。
それだけで何もしないので、小太りが帰ってくるまで自分を見張っているのだろうと思った。この時点でも自分は何も怖くなかったし、早く殺してくれと思っていた。
と、ふいに物凄い量の光の塊が、窓から部屋の中に入ってきた。それはガリガリに向かっていき、重なりあうと収束していった。
光が消えると、ガリガリのいた場所に見たこともない洋物の椅子(ペルシャ絨毯のような柄)が現れた。
また光の塊が部屋に現れた。今度はいきなり部屋の中から湧き上がるように出てきた。目が潰れるんじゃないかと思うくらいのまぶしさで、一点に収束し消えた。
その場所に刃渡り15cmほどのナイフが落ちていた。
象形文字?のような文様が柄に複雑に刻まれていて、刃は緩いカーブを描き、その全てが鮮やかな緑色(ヒスイ?)だった。
ナイフを見た瞬間、自分の身体がしっかり動くようになり、思考も正常?に戻った。
やらなきゃやられる。
すぐに自分は短剣を拾い、椅子に迷いなく突き刺した。椅子の内側からガリガリの唸るような声が聞こえた。
角と牙が生えた幽鬼のようなガリガリの顔がねじれて潰れていくのが頭の中に映像として入ってくると、目の前全部が強い光に覆われて、意識を失い、気がつくと自分の部屋の床に倒れていた。
時刻は4時半頃だった。
その後確認したこと。
・保存を終えた状態のイラレ
・開いている部屋の扉(絶対に閉じて仕事をするくせがある)
・部屋に漂う犬のような獣臭と何かが焼けたような匂い
・2時間ほど進んでいる時計
・背中に三本爪で描いたような血が出るほどのひっかき傷
夢を見たんだろう、自分でかいたんだろう、で終わらせることにした。
ただ、ナイフだけは気になって(模様と形状があまりに印象的だった)色々ネットで調べてみた。
でも同じようなナイフはまだ見つかっていない。そういうの詳しい人がいたら教えてください。
コメント
コメント一覧
これを読んで、イラストを描く職業の人と一緒に作業をしていたのかと思い、その後の話の展開に不自然さを覚えましたが、念のため調べてみたら、「イラストレーター」というソフトウェアがあり、多分それですね。
そんなソフトウェアがあるのを知らなかったのは私だけ、という事は多分ないと思います。誤解を招かないよう、もう少し説明があればよかった。
気を失っている間に、投稿者は太っちょからあんな事やこんな事を・・・アッー
妄想に溺れてないで仕事しろよ、仕事
(ファミチキください)
すまんな
多少絵を描く人間なら知らない方が非常識って感じになるんだよ
絵は描かないけど、書店と家電量販店のPCソフトのコーナーで普通に見かける
英語で書き分ければ分かりやすかったかもね
承認欲求コジキ。
他人の揚げ足とって越に浸りたいんだろうけど、もう少し勉強しな!
状況描写で何が言いたいかくらい理解出来るでしょ?
それと「相手を椅子にする魔法」って、ドラマ「奥さまは魔女」のサマンサのお母さんが時々やってた様な気がする。
イラストレーターやフォトショップの
アドビ税からは死ぬまで逃れられないのだよ・・・
そんなに>>1を叩いてやるなよ、可哀想だろ。わからないやつのために説明してやったぜ、って優越感くらい許してやれ。わかってるやつはニヤニヤしてればいいじゃん。
画像編集ソフトでポスターを作っていた、でええやんけ。
ついでに言うなら夜中パソコンで仕事をしていた、でええやんけ。
もっと言うなら便利屋云々のくだりいらんやんけ。
隙あらば自分語り。
フォトショップは写真屋さんとは思わなかったんかwwwww
一般常識レベルとはいい難いにも関わらず、自分が知ってる物は、他人も知ってて当然と
いうのは傲慢に感じるわ。逆のケースだってあるだろうに。
煽りでもなんでもなく知らないのはあなただけってレベルの知名度があるソフトだよ。あなたのせいで興醒めしました
あと、換気の悪い部屋で塗装をしてたりすると、有機溶剤で酔うぞ。
しかもコメ欄が話の内容じゃなくてイラレの認知度に対する盛り上がりで草。
ぶっちゃけイラレなんていじる人しかわからんやろ。
ペイント入ってても開いた事ない人のほうが多いやろな。
そっちのが驚いた
フォトショップが何かわかるならイラストレーターが何かもわかるのは普通なので、※1は釣りかな?
スレ主はヒスイの短剣で椅子を破壊した。翡翠は中国や中米において死者蘇生の効用があると信じられていた。
スレ主は死後の栄光より現世を選んだのだ。ただ、翡翠の英語名である「JADE」は疲労困憊するという意味でもある
ガンバレー
フォトショップは まとめで良く見るし 最近はネタで色んな人が口にするようになったし テレビでも ネタにされるようになったけど
イラストレーターっていうソフトは 今、初めて認識したよ。
なんで そんなに イラストレーターを知らない※1を叩くのか 分からなくて 怖い。
結構な年齢の女性なのにひねた童貞みたいな煽りばっかしてるから必要以上に嫌われてるし仕方ないし
名前だって普通わかるだろ
そのことに気づかない方が驚く
あれと展開がすごくにてる
その後のMIBかつXファイルな展開はなかったけど
ネタなのだとしたらその話
から着想得たのかな?
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