ある時、3人で沢登りに行ったが、15メートル
ほどの滝が、状態が悪くどうにも直登できなかった。
やむを得ず、滝の左側の斜面を大きく回りこみ
滝の頂上に出ようとした時、先頭を行く友人(A)が
突然落下した。
滝つぼには岩が突き出ており、Aはその岩に顔面を
ぶつけたように見えた。
苦労してよじ登った斜面を別の友人Bとふたりで
転がるように駆け下りたが、その時、俺の耳に
甲高い笑い声が響いた。
そして眼前に哄笑する男性の顔。
その顔に構わず突っ込んだ刹那、足がもつれて
俺は転んでしまった。
170: 2/4 2007/05/11(金) 12:18:50 ID:pqoA4Mbb0
とにかく、そんな事は気にせず起き上がり、下まで
降りると、先に下りたBがAを滝つぼから引き摺り
揚げている所だった。
Aの顔は腫れ、膨れ、鼻と目から出血していた。
鼻といっても完全に潰れて顔の中に埋まっている。
のっぺらぼうというのは、あのような顔の事を
言うのかもしれん。
麓のキャンプ場で救急車を呼び、救急隊員が滝に
到着し、Aを担架に固定した。
滝までは獣道があるだけなので、救急隊員と俺とBの
4人が交替で担架を持ったが、顔面からの出血が
ひどく、その血が流れてくるので、担架を持つ手が
何度も滑り、その都度担架は大きく揺れ、Aは
痛みを訴え続けた。
171: 3/4 2007/05/11(金) 12:19:30 ID:pqoA4Mbb0
ようやく救急車にAを乗せ、Bは病院まで同行する
事になった。
俺はもう一度滝まで引き返し、散乱している荷物を
回収し、麓まで戻った。
Aの車で出かけた為、仕方なくヒッチハイクしたが
あちこちに血をつけた俺を良く乗せてくれたもんだと
妙な感心をしている。
172: 4/4 2007/05/11(金) 12:20:02 ID:pqoA4Mbb0
退院後、Aは落ちる直前に滝の上に赤い服を着た
釣り人の姿を見たと言い、それから後の事は
良く覚えていないらしかった。
病院に担ぎ込まれた直後、赤い服を着た人が居るとか
その人を滝で見たとか、大騒ぎしたらしいが、それも
本人にすればうわごとで、一切覚えていないとの事。
Aはかなりの手術の末に一命を取り止め、結婚し
子供にも恵まれた。
そして2年ほど前
仕事中の事故で高所から落下し、死亡した。
引用元:https://hobby9.5ch.net/test/read.cgi/occult/1178552133/
コメント
コメント一覧
気分が参っていると、大したことのない内容でも、ひねくれて解釈してしまう事があるんだよ。
山岳関係の体験談で、山頂辺りの山の1番峻険な場所で吹雪に会って視界が零な場所で震えて居たら……何処からか?、頑強そうなお年寄りが現れ、こっちこっちと誘導して下さり…行って見ると、下山出来る場所へ辿り着いたという話しっ!!と正反対ですね。 自分は例え、不遇な死に様になったとしても……(-_-)!!
人を巻き込んだり、不幸にしようとかは…絶対にしたくないです。(⌒‐⌒) *:・゚✧*:・゚✧♡♡♡
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