私の母から聞いた話。
昔、母が薬売りの叔父の家に遊びに行った時、姉とかくれんぼをしていて、隠れるところを探していたら、ちょうど良いスペースがあって、そこに隠れていたらしい。
すると何か後ろの方から声がする。振り返ってよく見てみると、そこは扉だった。子供がすっぽりはまれる位のスペースなので、扉は小さい。母が不思議に思って耳を押し当ててみると、中から
『助けて…』と声が。
母はすぐにかくれんぼをやめて、居間に戻り、小さい扉から声がしたと祖母に話した。
すると横でそれを聞いていた叔父(祖父の兄弟。祖父は大分前に戦争で亡くなっている)の顔がみるみる真っ青になり、気分が悪くなったので休みたい、今日は帰ってくれと言い出した。
居座るわけにもいかないので、しかたなくその日は帰ったが、その後、母は姉から恐ろしい真実を聞かされる。
叔父は薬の調達の為と銘打って東南アジアの方へよく出かけていたらしいのだが、どうもそこから愛人を連れ帰ってきて、家に置いていたらしいのだ。
そして、その愛人がいた部屋というのが、母が声を聞いた場所。しかし、現実に母がその愛人の声を聞くことは有り得なかった。
なぜなら、ほどなくして叔父の家から白骨死体が見つかったからだ。水も与えられず、狭い小部屋に閉じ込められて恐怖する愛人の残留思念の声でも聞いたのだろうか…。
ちなみに、叔父は東南アジアにまた『薬の調達』をしに行ったきり行方不明になったそうだ。
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テレパシーみたいな感じで言語に依らず意志を伝えて来たのかね?
日本人の愛人してたからピロートークで覚えて片言くらいは喋れたかも。
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