家、不気味

605:
本当にあった怖い名無し:2005/05/19(木)10:58:56ID:JFX98K+P0
私が中学生の頃の話です。

私は中学生の頃、グレていた不良と呼ばれる部類の人間でした。理由は家庭環境が悪かったのも原因があります。

2歳の頃から祖父と祖母と三人で生きてきました。両親は母が亡くなり、父は再婚して、私を残したまま別居でした。父とはあまり面識がなかったのですが、私が中三の時にコンビニの店長になり、隣町で働くようになりました。

夜遊びや不登校を心配してか、週に2、3度仕事帰りに泊まりに来るようになりました。

最初は今さら親父なんかウぜーよ!なんて思ってましたが、やはり親子。毎日朝の2時に帰る父が待ちどうしくなってきたのです。

無口な父でしたが、初めて親子の会話というのを体験し、今までにない生活が正直うれしかったんだと思います。

そしてもう一つ楽しみがあり、父が毎晩【ロス】といって売れ残りの弁当や、食料を来るたびに大量に持って来まして、金がなく、夜遊び好きの私には最高のプレゼントでした。

その晩は悪友とバイクを乗り回し、疲れて家に着いたのは午前2時過ぎでした。普段通りに父を待っていました。ある事が起きるまで、いつもと変わらない静かな夜でした…


607:605:2005/05/19(木)11:26:25ID:JFX98K+P0
その日、3時をまわっても父が帰って来ませんでした。

しかし、たまに荷物の搬入なんかで4時や5時といった事もあったので、茶の間でゴロゴロしながら、そして腹もゴロゴロ言わせながら待っていたんです。

3時半頃だったでしょうか。玄関のドアをコンコンと叩く音が。帰ってきた!!茶の間から一目散に玄関へ向かいました。ドアを開けると父でした。…しかし父ではないような…

あの気味の悪さは未だに忘れません。顔色は青く、視線は一点を見つめたまま。具合でも悪いか、疲れてるんだろうな。そう思い

『顔色悪いよ?なんかあったの?』

話しかけても反応がないのです。

私は子供心に、大人は色々あるんだろう、なんてませた事を考えながら、冷蔵庫の瓶ビールを開け、一杯注ぎ父へ出しました。

父は無言で飲み干すと立ち上がりトイレへ。私は今日のロスを確認しました。

珍しく刺身類が。スパゲッティは明日起きたら食べよ、なんて考えていました。しかし、父が10分以上たつのにまだトイレから戻りません。

なんだか心配になり、トイレのドアをノックします。

『大丈夫!?』

しかし(コンコン…)とノックが返って来るばかり。なんなんだよ!と思い、茶の間に戻ろうとした時!!

『開けろ!おーい!』ドンドン!!玄関を叩く音が!!

ええ!?親父!?なんで玄関に!?急に心臓がバクバクしましたよ!

『は、はい!!』

おそるおそる鍵を開けます…ガチャ…父でした。


611:605:2005/05/19(木)11:53:52ID:JFX98K+P0
…そこにはいつもの父が、先ほどと同じ服、同じ髪で立ってました。もーわけわからんでしたよ!

『だって!さっきトイレに!』

あわてた私を見て父が

『この野郎!シンナーやってんのか?息吐いてみろ』

なんて言うんですよ!いくら悪ガキだからって薬物はいっさいやってませんでした。私は急いで父を無理矢理引っ張りトイレに行きました。なぜか内側から鍵が掛かってました。

私は混乱して泣き出し、父に全部話しました。

最初は冗談半分に聞いていた父も、さすがにロスの袋を開ける前に私が刺身にナポリタンその他、全部当てたのにはビックリして、さらに最初の父が飲んだビールは座布団に染み込んでました。

夜明けを待ち、鍵の掛かったトイレを祖父と父で裏側の換気窓を外し、鍵を空けました。

…後日談になりますが法事の時、親戚が和尚さんなのですが、全部話し聞きましたら父が(疲れた、眠い、息子が心配)等と思い、魂だけが先に帰って来たそうです。俗に言う生霊体験でした。

まだまだ霊能家系の私達家族は色々体験しています。機会がありましたらまたレスります。長々とすいませんでした。