峠
2013/08/19
去年の話になるが、激務が続いてほぼ徹夜に近い仕事が3日ほど続いて、夜に中央道で仕事先の岐阜から埼玉まで帰る道中のこと。

小仏(こぼとけ)トンネルで事故通行止めで相模湖ICで降ろされるわけだったが、20号の渋滞を嫌ったのと、若い頃走り屋してたので妙に夜の峠を走りたくなって上野原で降りて、陣間街道の和田峠を目指すことにした。

夜な夜な峠の頂きあたりで缶コーヒーでも飲んで、峠かっ飛ばして八王子西から圏央道に乗ろうというもくろみだった。

が、道中、徹夜の蓄積からか、どうにも眠気を抑えられず、神社付近で車を停めて仮眠をとることにした。23時頃であっただろうか…。

5月半ばで車で寝るにはちょうど良い気候であるにもかかわらず、寒くてすぐに目が覚めた。俺的には数十分寝た感覚だったが車の時計を見るとすでに1:30。

ヤバい、次の日もやることがたくさんあるので急いで、峠を抜けることに。結構なスピードで峠を昇るが、一向に上りきる気配もなく、ジュースの自販機もちょっとした駐車場もなく不安になりながらも走り続けた。

走っても走っても同じ峠を繰り返しているような気がして、いったん停めて閉じてたカーナビを開いてみた。すると、なぜか仮眠していた神社の前あたりを指している。GPSの異常だろう(たまに起こる)と思って、ナビを見ながらさらに車を進めた。

が、しかし、一向にナビが反応しない…。完全に壊れたと判断し、ナビをあてにすることをやめた。

さらに走り続けるとようやく景色が変わってきて、トンネルに差し掛かった。トンネルに入ると、今まで対向車と全然すれ違っていなかったのに(←ここで気づいた)数十台の車やトラックとすれ違う。

なぜかすれ違う車が全てレトロカーばかり…。トンネルを抜けるとやっと駐車できるちょっとしたパーキングスペースを見つけて停めた。

車を降りるとうっすら空が明るくなったのが分かったが、同時に濃霧が立ち込めた。自販機がようやく見つかり、待望の缶コーヒーを買った。コーヒーを飲んでいると、もう一台車が入って来たのが分かった。

マフラーの音がなぜか、大太鼓を一定のリズムで刻むような音がしていた。すると中から若い男女が下りてきて何かはしゃいでる。

こちらには気づいてないようだ。何を騒いでるか分からないが、最後に男女揃って、おめでとう!と叫んでいるのが分かった。

結婚したばかりなのだろう、若くていいことだと思いつつ、若者の車の方に目を向けると、もうその車はない。その現象に不思議と怖さは感じなかったものの、タバコを吸って自分の車に戻り、小休憩をとった。

そこでまた私は寝てしまったようだ…。気が付いて目が覚めると、濃霧も晴れて空はきれいな五月晴れで、すがすがしい朝。

しかし、そこはまだ前の日に止めてたはずの神社前。なんだ、夢だったかと峠を進み八王子西ICを目指した。

が、車のホルダーに目をやってびっくり!夢の中であるはずの缶コーヒーの空缶が刺さってる!!!


そんな不思議な体験の2週間後、7年間不妊で悩んでた我が家に待望のご懐妊ニュース!今年の1月に元気な男の子が生まれたのです!

神社の神様の知らせなのか、分からないが本当に神様ってのがいるんだなと確信した!