02/01/11
洒落にならないかどうかはわかんないけど一応私は怖かったので。
就職して田舎から出てきて一人暮らし始めたばかりのとき、会社の新人歓迎の会で、深夜2:00過ぎ頃帰宅中の話。
その当時住んでいたマンションは住宅地の中にあり深夜だとかなり暗く、また人通りもほとんどなく私はビクビクしながら一人帰宅していた。
やっと自分のマンションが見えホッとしたところ、向こう側から女の人が歩いてきました。
その女の人が、なんというかフラフラっという感じで、とても不自然な出てきかた?のように感じたのを覚えています。
女の人だったので気にもとめずマンションに入ろうとするとその女性がマンションの入口近くに路駐してあったワゴンにぶつかって、ドタっと倒れました。
よく見るとその女性は、サングラスに白い杖を持っていました。わたしがあわてて駆け寄って
「大丈夫ですか?」
と助け起こすとその女性は、全くもってハッキリしないくぐもった小さな声で「大丈夫」ということをボソボソいっていた。
まだ20代の女性でやっぱり眼が不自由と思われ、こんな深夜に大変だろうと
「どちらへいかれるんですか?」
とたずねた。するとその女性は、
「この近くの友人のマンションをたずねるつもりだったが、迷ってしまった」
みたいなことをまたボソボソと言った。それから、
「今自分がどこにいるのか分からなくなってしまった。この近くなのでよかったら連れて行ってほしい」
と頼まれました。私は眼の不自由な人の手助けをするのは、当たり前だと思い
「いいですよ。」
といいました。
「じゃあ、腕を組んで連れて行って下さい」
と急に元気になったその女性と歩き出しました。
私達は腕を組んで歩き始めました。「どんなものが見えるか」としきりにたずね「では左へ」「その次を右へ」と深夜の住宅地を腕を組まれ歩いていました。
その時、車が正面より通り過ぎていってライトがあたった瞬間、明らかに私の表情をうかがっている様子でこちらを見ているような眼が、サングラスの中に見えました。
こうなると疑わしいのと自分が置かれている状況に(その女性に右手を両腕で組まれている。左手にはハンドバック)はじめて恐怖がやってきました。(遅
ですが、本当に眼の不自由な人だったらという良心の呵責もあり、2人でたっぷり15分は歩きました。またその道中、その女性は話す内容は
「今からたずねるのは私と同じ障害者です」
「その子はまだ小学生で、両腕がなくなってしまいました」
「ずっと落ち込んでいるのでセーターを編んであげたのだが腕の部分をどういう風にしたらいいか迷った」
など、クリーチャーな話題満載で、私は人生で初めての恐怖に、もう泣きそうになって必死で相槌をうってました。
連れて行かれるところはドンドンひと気のない暗い方向です。いよいよ格闘のことまで考え無口になっていると、急にその女性は
「ここらへんのはずです。マンションの名前を言ってください。」
と言い、私が〇〇〇マンションです。というと
「ここでいいです。どうもありがとう」
とあっさり解放してくれました。
しまった!!やっぱり私の勘違いだった。と恥ずかしく思いましたが、冷静になるにつれてどうしても変だと思い(目が見えないのに自分が道を間違っているとなぜ分かる?等)
どうしても気になり、そのマンションが見える角路地で、隠れて入口を見ていました。
すると、ものの1分もしないうちにさっきの女性が降りてきます。しかも階段をスタスタ軽やかに!やぱっりイタズラだったのかと、文句を言いに出て行こうとしたとき、もう一人誰か階段から降りてきました。
その男性は20代後半くらいでものすごく太っていて、なんと両腕がない人でした。その2人は誰かを待っているようにキョロキョロして、何かボソボソ話しているようですが聞こえません。
するとその女性が急に男性のトレーナーを引きちぎるように脱がせ始めました!両腕のない男性は抵抗しているようでしたが、あっさり脱がされました。
遠目でもわかるその人の腕のない肩の断面や、あまりの突然のすさまじい光景にわたしは涙をボロボロこぼしながら、でも必死で声を出さずに見ていました。
逃げ出したかったのですが、脚がすくんでいるのと、見つかって追いかけてきたら、という恐怖で動けません。
男のひとは上半身裸で地面を転がりながら何か叫んでいます。すると女性はバックから魔法瓶(?のようなものを取り出し、男性になにか液体をジャボジャボかけ始めました。
湯気が見えたので、そうとう熱かったのは分かりました。もうすごい絶叫なのですが、近所からはだれも出てきません。
私はもう恐怖に耐えられなくなり走って逃げ出しました。さいわい追ってこられてはなく、夢中で自分のマンションに逃げ込み、一晩中半泣きで過ごしました。
あれは何だったのでしょうか…
長文ですみません。だれか同じような人に出会った人いますか?もう6年前の話です。
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後日談ですが、そのことがあってから2年くらい経過して、わたしもすっかり恐怖を忘れたころ、あるデパートでエスカレーターに乗っていました。
最上階に向かっていたとき、途中の階のフロアになぜか目に飛び込んでくる人物がありました。
歩きながら本当に一瞬、その人影を見るとあの女性です。全く同じ服装でサングラス。間違いなかったです。
白い杖は持っていなかったのですが、今度は女性の片腕がありませんでした。そう見えました。女性は私の方に気づいている様子もなく、自分の足元を見ていました。
その先にはベビーカーがあり、その中の赤ちゃんにもう1つの腕で何かしようとしている。そばのお母さんは商品棚の方を向いていて全く気づいていない。
その光景が写真のように眼に焼きついていて、意識するより体がエスカレーターを駆け上っていました。
エレベーターで降りダッシュで自宅へ帰り、またもや半泣きでした。もう、あのような人とはどんな形でも関わりたくなく。
赤ちゃんの事が心配でしたが、誰にも話しませんでした。
いつかまたどこかで会いそうな気がして鬱です。聞いていただいてありがとうございます。
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進んで行った結果、知らないタイミングで交差点などに到達した場合に『道に迷った』と察するので、盲目であっても特定のタイミングで迷子を自覚する事は自然な事ですよ。
また、目的地の建物で素早く移動したり階段を降りたりの挙動を見たとの事ですが、歩き慣れた場所にて、細かい危険(新たに何か足元に置かれていないか等)を無視したならば素早い動きも可能なものです。
唯一の不気味で怖い点は、腕のない男性に熱い湯をかけていたらしい話てすよね。
私の推測ではその男性は、呪泉峡で泉に落ちた等の原因により身体が異性化するなどの疾患を持っているのではないかと推測します。その身体変化を戻す対処療法のための湯掛けであったのでは?
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