家族

10/07/08
幽霊のたぐいじゃないんだが、今思い返せば、文字通り「死ぬ程」怖かった話。

俺の親父は、良い人とは言えないけど悪い人ってわけでもない。クラスに一人はいるだろ?お調子者で自分勝手で、頭も良くないけどなぜか友達は多い奴。

親父は正にそのタイプで、勉強はそこそこ出来るけど、対人スキル0の俺とは正反対。正直言って、親子じゃなかったら絶対接点なんてなかっただろうな。

でも決して仲が悪いわけではなくて、キャンプなんかにもよく連れてってもらってたし、週末なんかほぼ毎週家族で出かけてたから、多分良い父親なんだと思う。

まあ、遊園地のお化け屋敷で泣いた俺(当時3歳)に、「もう連れて来んぞ!」ってマジギレした、なんて話もあるんだがw

それで、これは俺が小学校4年生くらいの時の話。

その頃俺はもう一人で寝られるようになってたんだが、休みの日はいつも通り起きて、その後両親の布団に潜って二度寝する、なんてことをやってたんだ。

で、その日も一度起きて母親の布団に潜り込んで、俺・母・父の順で並んで寝てた。

それから二度寝して、どのくらいたったか分からないけど、急にふっと目が醒めた。目が醒めたって言っても、急に意識が戻った感じで、目は開けてなかった。けど感覚で、鼻をつままれてることに気がついたんだ。

俺は親父がふざけてるんだと思って払い除けようとしたんだけど、違和感がそれだけじゃないことに気がついた。掌で口も塞がれてた。

なぜか苦しいとか怖いとかは感じなかったな。それより、起きてることがバレたらマズい、と思って目を閉じたままじっとしてた。多分30秒くらいはそのままだったんじゃないかな。あの頃は肺活量凄かったしw

でもまあさすがに苦しくなって、出来るだけ自然に、寝返りをうつ感じで顔を背けた。そしたら親父が小声で

「起きたか・・・?」って。

「起きたか?w」なんて軽い感じじゃなくてさ。

寝返りうってからこっそり目を開けて、今のはなんだったんだろう、って考えてた。

そのうちに母親も起きて、俺もタイミング見計らって起きた振りしたんだけど。その他に変わったことはなかったし、今も親子仲は悪くない。

まー、この件で一番怖かったのは、妙に冷静に空気読んでる俺自身なんだけどなwww