15/12/23
約30年前の話、俺が中学一年生の時。夏服を着ていたかな。
部活が終わり仲良くしていた同じ部活の友人と俺の二人、いつものように馬鹿話しながら帰宅していた。
途中、田舎らしい川がありそばには小学校、川を渡る前には橋がある。その橋の手前に、身長から小学低学年らしき男の子が一人立っていた。汚いシャツでボロボロ。坊主頭。
近づいて、男の子と目が合った瞬間、男の子は
「こっち!こっち!」
と言って急に右方向へ走り始めた。川沿いの舗装されていない、草もボウボウ、道とは言えない道。俺たちは「何かあるんかな!」とか言って、男の子を追いかけた。
話しかけたけど、男の子はただ「こっち!こっち!」としか言わない。
結構な距離を走ったと思う。しかし小学生にしては走るのが速い。普通、人は来ないだろうってところ。男の子が立ち止まった。そして黙って川の方を指さす。
「何かあるの?」
と問いかけるも、男の子は黙ったまま。そこは草が高く茂っている。草をかけわけて川の方へいってみた。
人が浮かんでいた。草むらに隠れるように。お腹は大きく膨らんでいた。仰向けの状態で。男性だと思われた。
はしゃいでいた俺たちは「うわ!」って最初驚いたけど、それからは何も言えずにいた。友人が「誰かに知らせようよ」と言ったので振り向くと男の子の姿はなかった。
「さっきの子どこ行った?」
って、友人と「おい!」と叫んだけど姿を見せなかった。
とにかく交番に駆け込んで知らせた。「そこに連れて行って」と言われたけど、あの場所へ戻るのはすごく恐くてつらかった。
今でも初めて見た死体はトラウマになっている。
あと坊主頭の男の子。今思えば草むらに隠れていたのかもしれないけど。
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服装からして戦時中に亡くなったのかな。
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