
うちの妹が小6の時に体験した話。およそ10年前。ちなみに自分は4つ離れた兄です。
クリスマス前に、サンタクロースのお面つきのお菓子を買ってきた。
クリスマスの次の日の夜(つまり26日)、風呂から上がって2階の自室に戻ると電気が消えていた。
室内灯もテレビも風呂に向かうときに点けっ放しにしていたはずだという。
テレビも消えており、逆に点けた覚えのないテレビの上に飾られた小さなクリスマスツリーの電飾だけが、赤青黄赤青黄、と室内をいかがわしく照らしていた。
わけがわからないまま点滅する暗い部屋を覗き込んでいると、視界の隅で何かが動いた。
ドアの左手、壁沿いに置かれたピアノのその向こうから、お菓子についていたサンタクロースのお面が顔をかたむけてこちらをうかがっていた。
妹は一瞬視界が暗転しかけたらしいが、次の瞬間家人の誰か(というか兄の私)の悪ふざけだと思い、
「なんばしょっとか!やめんか!ふざくんな変態が(※福岡県民です)」
とわめき散らした。
ところが、それを聞いた私が驚いて階段を上がってきたので、今度こそ錯乱して部屋から飛び出した。
私および後に続く父親母親~これで家人全員~はその場で、泣きわめく妹から「どうやら部屋に何者かがいるらしい」ということを聞き出した。
母親が弾かれたように階下の電話に向かう一方で、親父と私は恐る恐る部屋を覗いた。
部屋の電気は、ドアの外のスイッチで、何事もなかったように点灯した。サンタのお面はピアノの向こうにも、床にもベッドや机の下にも見当たらなかった。
窓はすべて内側から鍵がかかっている。
110番で来てもらった2人の中年の警察官のうち一人が押入れを開けたが、中には布団以外何も見当たらない。
そこからつながる天井裏も、ホコリの様子からそもそも人が入った気配がない。
妹は12月26日から翌年の2月まで、自室に入ろうとしなかった。
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豆まきして気が済んだのかな
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