顔
11/06/02
大学時代、友人の部屋で二人で飲んでいた。

明け方4時ころ、点けていないテレビにぼうっと顔が浮かんでいるのを友人が発見した。

驚いたが酔いもあってか、好奇心が先に立ち、まじまじと見つめたり、なんだこれ、と笑っていた。

顔は短髪の痩せた男、目を閉じたまま動かない。数分見つめていると、声を発した。というかなんか感じたというか、聴こえたのかどうかは定かではない。

しかし、オレも友人も同じ内容を聴いた。友人の命日を日付時間まで述べてスッと顔は消えた。こんな感じ

「〇夫、おまえ何年何月何日何時何分間に死ぬ、これは運命だから、逆らえぬぞ」

うろ覚えだがこんな感じ。
ちょうど半年後の日付。
もうそれからは半狂乱。

実家やらなんやらに電話し、助言を求めた。友人はぼうぜんとしてしまい、それからしばらく高熱を出して寝込み、ノイローゼになり、精神科に入院するにまでいたった。

友人の親のはからいもあり、お払いやら霊能力者の祈祷やらとにかく八方手をつくし、問題の日を迎えた。

友人は生きていた。
その後復学し、社会復帰できた。

しかしあの時期はオレもかなり参っていた…友人は生きた心地がしなかったろう…

まさに洒落にならない怖さだった。