15/08/27
むかーしむかし、まだアニメーションがセルアニメからデジタル彩色導入に向けてバタバタしていた頃。
その日は海外発注していた話数が大量にリテイク出して、翌朝の締め切りまでに何カットも塗り直ししなきゃいけないと色指定の子に泣きつかれて、自分の仕事が終って手の開いていた私はお手伝いするために会社に泊まりこみました。
その時ペタペタ色を塗り直していたのは私をふくめ5人。ラジオをかけながら作業を進め、あとワンカット分の作業で終わりだ、という時、外はだんだん少し白んできていました。
時計を見ると4時半過ぎ。
8時に担当の制作進行さんに渡せば撮影に間に合うので、少し休憩しようかと声をかけられ、5人がいっせいに「そうですね」と答えると、あれ?という空気に。
「今、〇〇さん(その話数の担当の子)が『休憩入ろう』って言ったんだよね?」
とみんなで彼女の方を向くと、
「え?△△さん(たまたま手伝ってくれた動画マン)が言ったんじゃないの?」
みんな徹夜で疲れてるんだねー。なんて笑いながら、コーヒーでも飲んでもうひと頑張りしようか、と言った次の瞬間。
突然ラジオがピー!ガガガガガ!と異音を発し、すぐにまたラジオの音楽に戻ると、突然ラジオから子供の笑い声が聞こえ、部屋の奥のアニメカラー保管棚がいっせいに倒れました。
当然悲鳴をあげる私達。すると窓ガラスがビシビシ音を立てて揺れ始め
「アソボアソボアソボアソボ!」
と聞こえました。
徹夜の眠気なんて吹っ飛んで部屋から悲鳴を上げて逃げ出す私達。別室で仮眠を取ってた演出さんに
「何?どした?」
と言われ、事情を説明して、さらに別室で作業をしていた動画マンさんと作画監督に部屋の中を見てもらうと…
そこは、倒れたはずの棚も倒れておらず、何個かのアニメカラーが転がってるだけでした。
コメント
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アニメーターだけでなく、声優にとっても想像を絶するものだったそうです。収録の日になっても肝心のアニメが完成しておらず、しかし声優さんたちも他の仕事が詰まっているので完成の日まで延期などできません。そこで、スクリーンにはアニメの映像は出ず、色の着いた線が出るだけ。例えば赤い線が出ている時は甲さんが声を当てる場面で、青い線が出たら乙さんの場面で、黄色の線は丙さんの場面で……と声優は映像を見られず、台本をもとに場面を想像しながら声を当てて行く。それをようやく完成したアニメに入れてテレビで放送、などという、たぶん日本の声優しかできないであろう離れ業でアニメを制作していたのだとか。
私は世捨て人同然なので、アニメ業界が今は労働条件等改善されているのか否かは知りませんが、そんな時代もあったのだと思えば、アニメーターが精神を病んで幻覚等を見ても不思議ではないと考えます。日本のアニメは世界的に人気があるそうですが、外国人たちはその裏にある闇など知らないだろうな。
↑これが気になって後の話が頭に入ってこなかったww
マクロスの伝説回かと思った。
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