13/11/04
20代なかば頃、金なくて友達とアパートをシェアしてた、その時の話。
俺の方の部屋には押入れとその上に天袋があるんだけど、夜中金縛りで目が覚めると天袋と天井の間に顔が出ていた。
「えぇ…」って眺めてると、その顔はズルズルとそのまま出て来るんだけど、俺の寝ている布団の真上まで来たあたりで「あ、これ女の人だ」って気付いたのね。
よく見りゃ髪の毛長いし、気付けよって感じなんだけど。
で、なんやかやあってその部屋を出るんだけど、しばらく後にそのアパートの前を通りかかると彼女が、
「あ、女の人見てる」
っていうのね。俺さ、わけも分からず、「?」って顔してると
「そこのアパート女の人が窓からこっち見てる」
「どこ?」
「えーと、右から3つ目」
俺が住んでた部屋でした…。
で、そっから10年後、シェアしてた友達と酒飲みながら当時のアパートの話をしてた。風呂がボロかっただのなんだの思い出話をね、そんな時にふと上記の金縛りを思い出して
「そういやさ、あの部屋に住んでた時に金縛りにあったはwww」
的なノリで話振ったら、急に真顔になってさ
「それって女?」
「うん、そうだよ。こうさ、天袋と天井のすき間からにゅーっと」
「天袋の右端?」
「うん…?前に話したっけ?」
「いや、俺も見たから…」
この時、初めて怖くなった。
「マジかよ…言えよ…怖いじゃんよ」
「多分、あの天袋の上であの女死んでる」
空気凍ったよ、こういう冗談言うような奴じゃなかったし。その後、嘘でしたとも言わねーし。
とりあえず、あのアパートの近所には近寄らなくなったよ。
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