06/07/19
小さいころ、私は知的障害を持っていると思われていました。
言葉や文字に対する遅れは見られませんでしたが、コミュニケーション能力が欠けているとしか思えない様子だったそうです。
人と目を合わせない、会話ができない、約束事が守れない、一方で、何もないところに向かって延々と話し続ける、と気味の悪い言動を見せていました。
また、距離・時間を考えるとおかしな行動をしていたそうです。
例えば、母が車で家から1時間くらいかかる公園に連れて行ってくれたとき、目を放したすきに、ふらりと私が消えてしまったらしいのです。
その後すぐ、どうしたらいいか留守番をしていた父に電話したところ、
「あれ?お前***は置いて行ったんじゃないの?」
私はもう家に帰っていたそうです。
また、夜の3時、4時になっても私が帰ってこないので、心配して捜索届けまで出し探していたところ、
「ちょっとでかけてきたよ」
といわんばかりの私が帰ってきたりしたそうです。
私の家は田舎の田んぼのど真ん中にあるため、誰かが車で送ってくるなどすればすぐに分かったはずなのですが、誰も気付いた人はいません。
周りでは、神隠しにたびたび会う不気味な子とあつかわれたりしました。
ここまでは別に怖い話ではなく、「変な体験」で住むのですが…
今でも夢に出てくるような体験をしたんです。恐ろしくて、本当に忘れてしまいたいです。が、まったく薄れてくれません。
小学生になって何度目かの夏休み、私は、家の近くの松林に遊びに来ていました。そう広くはないはずですが、ずいぶん歩いた気がします。
そのうち、小さな家が見えてきました。木製で二間もなさそうな、小さな家ですが、物置や掘っ立て小屋のような印象もなく、清潔で人が住んでいることを感じさせます。
戸口の前にはプランターが置いてあり、そこからはアサガオが生えていました。私は、そのアサガオを巻きつけてある黒いポールが気になって、近寄ってしげしげと眺めていました。
そこで「なにしとるの!」という声を掛けられ、振り向いたらお婆さんが立っていました。
一見するとどこにでもいる、ちょっと背が曲がったお婆さんなんだけど、目がとにかくおかしい。見開いて、異様に大きい目が瞬きもしない。
普通の人は目の下に頬骨があって、眼窩(がんか)はへこんでる。だけどそのお婆さんは、不自然に凹凸のない、のっぺりした顔。
シワだらけなのに目は埋もれていない。魚の、キンメダイやサケガシラみたいにどろんとした目。
あのお婆さんが生まれて初めて恐ろしかった気がする。
なにをどう言い訳したのか、もごもご言っているうちに、おばあさんはずいぶん親切になって、家の中に私を連れ込みました。
それから、色んな話を聞いた気がするけど、私はもう帰りたくてしょうがなかった。
「もううちにかえらないと」
というと、お婆さんはずいぶん渋りました。
「ここにずっとおればええがね」
「ここにずっとおればええがねぇ」
と私の左肩をつかんで揺すりましたが、もうここから抜け出したいの一念で、
「うちにかえらな」
「うちにかえらな」
と言っていました。
とうとうあきらめたお婆さんは、奥からジュースを取り出してきました。スイカのジュースみたいな色で、なんだかどろりとしています。
「外は日が当たってるから、でれんから」
と言われ、私はこれさえ飲み干せば帰れると思い、頑張って飲みました。
甘さベースでしたが、妙に生臭くて、生の小麦粉みたいに苦かったです。魚のてんぷら作った後の生の天ぷら粉ってあんな味がするんじゃないでしょうか?
その後お婆さんは、
「迎えに行くから」
とか
「何とかさんに頼んで連れてきてもらうから」
とか言っていたようですが、私はもう恐ろしくて、一目散にその家を去りました。
松林から出て、うちに帰る最中に、鼻血が出てきました。
「厄介だなぁ」と思って、手で血を止めようとすると、手に何か白くて長いものがついています。これは前、猫の死体でも見た!蛆(うじ)だ!
鼻からは蛆の混じった血が流れてきます。口の中にも血が流れ込んできて、意外と力の強い蛆が上あごと舌の間で暴れます。
私蛆が湧いてる!腐ってる!死んじゃう!
あせった私は近くにあった家に飛び込みました。近所の家が家族と救急車を呼んでくれたことは覚えています。
それから私は血便と止まらない鼻血、脱水症状で何日か入院しました。驚いたことは、私が松林に入ってから、10分とたっていなかったことです。
私の話は全て作り事とされ、何か悪いものを食べたのだろうと済まされました。
その後、見違えるように「普通」になった私は、前のように不審な行動をすることもありません。時間や距離を無視した移動もしなくなりました。
正直、上の話も夢か何かだったような気さえしてきます。ですが、目のおかしいおばあさんと、蛆交じりの血ははっきりと記憶に焼きついています。
それからあの松林に近付いたことはありません。帰ってきたと思われては困りますから。
コメント
コメント一覧
周りの大人がアホだったせいで苦労された、ということしか。
所謂インスマス面ってやつかね
自分が正常なつもりになってる狂人が書いたおかしな文章みたいだ
見ず知らずの他人からもらった怪しげなグミを食べちゃうのと同じカテゴリーの人
これを知的障害だと思わねー方が異常だわ
極め付けは心霊体験したとか言い出したんだろ?
役満級のキモガキじゃん。さぞかし親は苦労したろうに。
知的障害だと、1時間の距離を一瞬で移動したり出来るのか。
お前が知能に問題あるとしか。
普通に都会だろうが田舎だろうがいるけど。
部屋から外に出ないと分からないか、ごめんごめん。
親が年取ったことにも気づかないんだろうね。
そうかね? 私が住んでいる土地は少子高齢化が進んで子供はほとんどおらずジジババしかいませんが、腰が曲がった人など皆無ですよ。みんな年をとってもかくしゃくとしている。別に私の住所地が特殊だと言うわけでも無い。君はどんな異界に住んでいるのやら。
昔――戦後しばらく位までは、特に農村部では栄養が悪かったうえに労働条件も過酷で、そのせいで老人、特に女性は骨粗しょう症を起こして脊柱が折れ曲がる人がむしろ普通でした。
昔と言えば、出っ歯の人も多かった。以前にも引用した東京大学名誉教授の鈴木尚博士(人類学・解剖学)によって明らかにされた通り、歴史時代の日本人は出っ歯が特徴でした。江戸時代後半頃から少しずつ改善され始め、20世紀に入ってからは急激に出っ歯は消失しつつあります。これについては私も Wikipedia に記述した事もあります。明石家さんまとか久本雅美は、言葉は悪いが歴史的遺物に相当する人たちですね。
私の偽者が失礼いたしました。
腰の曲がった老人がいないのは偽者様のご指摘通りですが、出っ歯がいないのは歯列矯正が一般的になったためです。
現代人の顎は小さいので、顎に
これが健常と池沼の決定的な差だ。ギリ健には要約が出来ない。本当は自分自身で自分の書く文意を理解出来ていない。
3行で頼むわ
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