15/11/28
オレが小学4年生の頃、オレの母方がキリスト教と言うこともあって毎週日曜日に母と一緒に教会へ礼拝しにいってた。
礼拝中はとても静かで、みんな牧師の話を聞いてたり黙々とメモとったりと学校の授業にも似た空気が流れてて、子供のオレは耐えられるはずもなく、よく礼拝堂の外の玄関でゲームをしていた。
そんなある日、その日もいつも通り玄関でゲームをしていたら頭の中をえぐられる様な激痛が走った。
オレは床に転がりこんで助けを呼ぼうとした。しかし助けを呼ぼうとする間もなく意識が遠くなっていった。
薄れゆく意識の中で玄関横の階段の上からオレを見下げている全身真っ黒の人間らしき何かを確認した。
次に目が覚めたのは病院のベッドの上だった。そこには母と父、祖父と祖母がいた。
母の話によると、母が礼拝中にトイレに行こうと礼拝堂から出た。すぐに痙攣しているオレを発見して急いで救急搬送。
オレは痙攣しながら救急車が来る前も、車内でも「寒い…寒い…」と言い続けていたらしい。
ベッドの上で母からそれを聞いた時は、もちろんそんな記憶もなければ、激痛が走った辺りの記憶もあいまいなまま。
ただしっかりと覚えているのは、自分の意識がなくなる寸前に見た黒い人の様な存在。
あれは確かにそこに存在していた。それも女。文章では中々伝えるのが難しいのだが、確かに女だった。
全身真っ黒で、ただ分かるのは直立していたぐらい。髪が長かったとか服装とかそんなのもない。ただの黒い人間らしき存在。
言い表すなら影を具現化した様な存在。普通なら性別の判別なんて出来るハズもないけど女だった。直感だった。
母の話を聞きながら、そんな事を思い出していた。
母の話も終わり、体を起こそうとするも上手くいかない。起き上がれない。オレの右半身が完全に麻痺していた。握力もなければ歩くことも出来ない。上手く話す事も出来ない。
怖かった。怖くて怖くてたまらなかった。
その日から入院し、入院期間中は終始、精密検査とリハビリの日々。だがいっこうに原因は分からず、症状も改善されずのまま一週間が過ぎた。
その日の夜、眠りに就こうとしたその時、頭の中をえぐられる様な激痛が走った。
一週間前と同じだった。オレは激痛のあまり発狂した。母の手をギュッと握り恐怖と痛みと戦った。
そんな時、母の後ろに黒い女がいた。顔も体も真っ黒な女。間違いはなかった。あれは確実に一週間前、階段の上から見下げていた存在だった。
しばらくすると医師がきて軽い麻酔を打ってもらい、なんとか落ち着いた。落ち着いた頃には真っ黒な存在は消えていた。
次の日、麻痺がなくなっていた。普通に歩けて、普通に話せて、普通に文字が描ける。その後、すぐに退院した。
もちろんの事、後遺症なんてものはみじんもない。以前と変わらない生活を送った。ただそれ以来、教会には行かなくなった。黒い女もそれ以来見ていない。
あれはいったい何だったんだろうか。
長くなりましたが全て実話です。文章が下手なので上手く伝わってないかもしれないが、みんなの見解を教えてくれ。
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