15/09/30
俺が20歳なりかけのヒキニートだった時に体験した話。誰かに聞いてほしいので書きます。
実家は東北の内陸で見渡す限りの田園と山に囲まれたところにある。
俺は高校卒業後就職しないで、毎日実家に来る甥っ子2人と遊んで過ごしてたんだ。
甥っ子は当時小学校中学年と低学年くらいで外で遊ぶのが好きだったから、学校から帰ってきたら一緒に近くの原っぱに行ってバドミントンしたりキャッチボールしたりしてた。
原っぱは山の入り口にあって、その山は山って言うほど高くもなく丘ってわりには広い、なんか中途半端な山だった。少し高いところにある森って感じかな。
それでその山は実家の裏に続いてて、実家はちょうどその山を切り崩したような崖の下に建ってた。崖って言っても2階建の実家より少し高いくらいなんだけど。わかりづらかったらごめん。
俺が子供の頃はしょっちゅうその山に入って遊んでたんだけど、他の山のふもとに熊が出るようになってからは親に禁止されてた。
その日は今くらいの秋口で、夕方よりずっと早い時間だったと思う。
最初はいつものように原っぱで甥っ子と3人でバドミントンしたりして遊んでたんだけど、そのうち兄貴のヒデ(仮)が山に入ってみたいと言い出した。
日が落ちるのはまだまだだし、いつも同じことばっかで俺も飽きてきてたから、じゃあ探検に行くか!ってさほど考えず、一応護身用のラケットを持って何年かぶりに入ってみることにした。
弟のヨシ(仮)もあんまり怖がってなくて、俺は俺で懐かしいなあなんて思いながらズンズン進んでいった。
ちゃんとした舗装はされていないけど人が並んで通れるような道があって、進行方向の左側の林の先が家の裏の崖方面。
ちょうど家の裏のあたりを過ぎたくらいで、目線の先の開けた場所に一本大きな木があった。
その木の真ん中あたりが両側を綺麗な正方形型にえぐられて自分たち側から見るとアルファベットの大文字のIみたいになってて、なぜかこれは熊が爪を研いだ跡だって直感で思った。
やっぱ熊いるのかよ…ってビビった俺は、怖がらせないように甥っ子には秘密にしてすぐに引き返そうと思って振り返った。
だけど俺が振り返った瞬間、ヒデが俺の背後を指さして
「鬼がいる!」って叫んだ。
ヤバイぞついに熊が出た!って一瞬思ったんだけど、すぐに(鬼?)とハテナになって、それで思わずその指さす先を見ちゃったんだ。
そしたら、その木の後ろから、鬼のお面がこっちを覗いてた。おでこに大きい角が2本あって真っ赤な般若みたいな顔。
ひょっこり身を乗り出す感じでジッとこっちを見てて、上半身しか見えなかったけど着物?はかま?みたいな服を着てた。たぶん。
なんかわからんけどその時は頭が真っ白になっちゃって、気づいたらヒデが俺をおもいっきりどつきながら逃げよう逃げようって泣き叫んでた。
いつの間にか周りの木がものすごい音で揺れてて、地響きじゃないけどブォ~というかゴォ~というか、とにかく聞いたことないような音も響いてて、恐怖とあせりと使命感が一気にきて、本当頭の中が一瞬でカオスになった。
きっと甥っ子たちがいなかったらちびって動けなかったと思う。
それでまた木のとこ見たらずっと同じ体勢でこっち見てて、もうそれがよけいに怖くて、ヨシを脇に抱えて無我夢中で家まで走った。
ヒデは俺の手引っ張って前を走ってくれた。そのころから良い奴だったな。
いつ音が止んだかとかよく覚えてないんだけど、原っぱまで抜けたときにはもう聞こえてなかった。
家について玄関と窓に全部カギかけて、3人で布団にもぐりながら親が帰ってくるの待ったけど、追いかけてくることもなく、それからなにかに呪われたりとり憑かれたり怪奇現象あったりとかもなかった。
親に話したら甥っ子を山に連れてったことをめちゃくちゃ怒られて、俺らが見たのは熊だとしか思ってもらえなかった。
甥っ子たちも同じで、俺が姉ちゃんにしばかれた。
以上で終わりです。
今では田舎を離れて無事就職してるんだが、久しぶりに実家に帰ったら裏の山がソーラー発電施設建てるために禿げあがってたので、きっかけに誰かに話したくなって立てました。
当時の話を甥っ子たちにしたら、ヒデは「ずっと夢かと思ってたけど本当だったんだね」と少し驚いてました。ヨシは山に入ったことすら覚えてなかったです。
読んでくれてありがとうございました。質問あったら答えます。
17:15/09/30(水)15:52:20.59ID:pTwYx4Dd0
仕事もしないでフラフラと遊んでいる自分に対する自己嫌悪と焦燥感が生んだ幻覚だな。
19:15/09/30(水)15:57:43.16ID:24ki+wLG0
>>17
幻覚かはわからないけど、その件がきっかけで田舎から離れたいと思ったのは確かですね
18:15/09/30(水)15:55:16.09ID:cSl3jKHR0
鬼の身長はどれくらいだった?
筋骨隆々だった?
22:15/09/30(水)16:10:44.19ID:uO701OWp0
鬼の仮面をかぶったただの人では
27:15/09/30(水)16:37:41.97ID:24ki+wLG0
>>18
遠目だったから着物っぽいの着てることくらいしかわからなかったです。
身長も異常なほど高いというわけでもなく、たぶん大柄な成人男性くらいだったと思います。
>>22
そんな気もするんですけど、なんだかすごく奇妙だったんです。
13:15/09/30(水)15:21:42.88ID:MjhtwjSx0
鬼の和服って何色だった?
着物というより浴衣に近い感じじゃなかった?
16:15/09/30(水)15:43:47.92ID:24ki+wLG0
>>13
あんまり覚えてないけど、浴衣ではなかったと思います
20:15/09/30(水)16:02:59.99ID:MjhtwjSx0
>>16
そうか
浴衣っぽい般若なら見たことがあるんだ。お面を見た、と感じたのが同じだったから聞いてみた。
でも鬼じゃないし般若は女性だったから違うか。
27:15/09/30(水)16:37:41.97ID:24ki+wLG0
>>20山で見ましたか?
30:15/09/30(水)17:16:45.42ID:MjhtwjSx0
>>27
かなり山に近い、川のそばだった。
都会住みなんだが、その時は田舎のお祭りにいた。
あれはお面だと自分に言い聞かせたが見た瞬間の違和感というか、そこだけが浮き出るような恐ろしさが忘れられない。
顔が少し傾いていて顔の側面まで見えたから残念ながらお面ではないんだよな。
コメント
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テレビで見た時から思っていましたが、頭骨そのものは間違いなく人間のものですね。そこに角を付けた ''加工品'' に間違いない。頭骨全体の形状はもちろん眼窩・梨状孔・歯牙など、いずれも人類のものとしか考えられません。
ネット上のサイトの中に「学者先生や医者の方に、この鬼の首を見せた事があったんですけど、後頭部が普通の人間より少しだけ長いと言われたんですよ」と寺の人が語ったと書かれていました。これは、この骨が人間のものだと言う動かぬ証拠ですね。古代から近世にかけて日本人の頭骨は前後方向に長く、現代のような ''絶壁頭'' は見られなかったと判明しています。昔の日本人の頭骨が鬼のそれに ''変身させられた'' と考えれば納得です。
観光地でニコニコしながら自撮りしてるよ
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