岸壁
10/07/10
最近くねくねをしったのだが、似たようなものを見たことがあったのでひとつ。

数年前、山形県の庄内(しょうない)地方を一人でドライブした時の話。

10月下旬頃の夕暮れ時のこと。海岸沿いのドライブインに入り、日没を見ながら休憩していてら変なモノを見た。

離れたところの岩場の先端に、なにやら人影のようなものが見えた。釣り人だろうかと思ったが、どうも様子がおかしい。

目を凝らしてみると、なにかずっと動き続けているようだった。オレの知っているものに例えると、阿波踊りが一番近かったように思う。

両手を上に上げて、ゆらゆらとゆれ動いているように見えた。ただ、リズムは一定ではなく不規則で、見ていて不安を呼び起こされるような、そんな動きだった。

近づいて確かめてみようかと思ったが、岩場への降り口が見つけられず、そうしているうちにあたりはどんどん暗くなってしまい、その人影のようなものも、見えなくなってしまった。

すっきりとしないままその場を後にし、以来その場所を訪れる機会もなかったためあれがなんだったのか、見間違いなどではなかったのかなど、確かめられずにいたが、最近、近い印象のものに行き当たった。

「くねくね」だ。季節は晩秋で、場所も海辺だが、水辺ではある。

もしあの時が日没時ではなく、あれをじっくりと確認できていたら、あるいは今こうしてはいられなかったかも知れない。