
17/03/23
聞いた話。創作ではない。
ある人は登山が趣味で、休日は必ず山にいるという。
その人の奥さんが凄く勘の鋭い人で、旦那が週末に山に行くというと、決していい顔はしないけど
「なんとなく持っていった方がいい」
と思ったものを前日にリュックに忍ばせておいてくれる。
ある日、登った山でひどい腹痛に見舞われた時も、リュックを探ったら入れた覚えのない整腸剤が入っていて、それを服用してなんとか日没前に山を降りることが出来たという。
急な雨に祟られれば雨具が入ってるし、ガスバーナーを忘れれば菓子パンが入ってるという具合で、そのうち、その人は奥さんの勘を信頼して、そのアドバイスに逆らわなくなっていた。
ある日、その人が日曜に山に行こうと思ってリュックに必要な道具を揃えていると、とっくに寝ていたはずの奥さんが起き出して来た。
目も開いてないのに幽霊のようにフラフラ来るので、ちょっと不気味に思って
「……何してんの?」
と尋ねたら、奥さんの両手には大量のガーゼと包帯が。
「なんか今突然、持っていった方がいいと思ったから」
と言って、奥さんは登山リュックのポケットに。
この家のどこにこんな量のガーゼと包帯があったとかと思うほどの量を、ぎゅうぎゅう詰めにしていく。
その姿がまるで夢遊病患者のようで、なんとなく、今の奥さんは普通じゃないんだと思ったそうだ。
そのうち、ポケットにガーゼと包帯を詰め終わると、リュックはパンパンに変形していたという。
「こんな量のガーゼと包帯が必要になるなんて、俺は明日どんな大事故に巻き込まれるんだ……?」
と思ったその人は、明日の山行きを取りやめにしたという。
引用元:http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1486902088/
コメント
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大怪我なら尚更。
だが私は、時折思う事があります。例えば外出する時。私の居住地はド田舎ではないので、目的地との間に複数の道があり、どの道を選ぶかは自由なのだが、「はて、今日はこの道を通ったが、もし別の路線を選んでいたら事故にでも遭ったのではないか? 何かの力が働いて、無事に通れる道を選んだのではないか?」、そんな気がする時があります。むろん馬鹿げた考え過ぎではありますが、証明は不可能です。
投稿者が言っている人も、本当に事故に遭う運命だったのかは分からないのですね。
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