
18/09/15
はじめてこういう場所に投稿します。読みづらかったら申し訳ありません。
私は現在、就職をして1人暮らしをしています。
これは、就職するまで、約15年ほど住んでいた実家の話です。
父の転勤を機に、私と父母、妹の4人は父方の実家に住むことになりました。
千葉県の、まわりは田んぼと畑だらけの田舎でした。
祖父と祖母と同居となり、私たち姉妹は毎日のように祖父母に遊んでもらい、とても楽しかった記憶があります。
その家は、私たちが一緒に住むと決まった時に祖父母がわざわざ建てた新築の一軒家でした。
土地自体は昔から祖父母が住んでいた土地でしたが、田舎ですからかなり広く、敷地内に四軒の家がありました。
もう使っていない倉庫がわりの家と、大きな蔵のようなものと、祖父母が元々住んでいた家と、今回新築した家の四軒です。
小学生になったばかりだった私は、家に帰ってからまだまだ自由に使える時間がたくさんあり、友達を呼んでは広い敷地内を探検して遊んでいました。
ある夏の日、確か夏休みだったと思います。
妹は保育園、母はパート、父は仕事に出ており、家には祖父母と私
その日たまたま遊びに来ていた友達のaちゃんだけでした。
私はaちゃんと、祖父母が元々住んでいた家の探検をしようということになり、おやつを食べてからすぐにその家に向かいました。確かまだ2時くらいだったと思います。
二階建ての古いその家は、荷物もほとんど運び出されていたため、もぬけの殻という感じのだだっ広い家でした。少し積み上げられた段ボールの中に、なにか面白いものがないか?ということで、私たちは段ボールを片っ端から開けはじめました。
中は、本が好きな祖父の古い本や、祖母の洋服ばかりでした。すっかり飽きた私は、床に座り込んで、ふと天井を見上げたのです。
目が合った。
今思えばおかしい感想なのですが、その時の私はそう思ったのです。
天井には、俗に言うアシダカグモ。つまり手のひらより大きい蜘蛛がいたのです。
はじめてそんな大きな蜘蛛を見た私は、すっかり目が離せなくなってしまい、じーーっと天井の蜘蛛を見つめます。
すると後ろから、aちゃんが声をかけてきました。
「誰と話してるの?」
おかしな話です。私が見ていたのはただの蜘蛛でした。
だけどaちゃんいわく、私は誰かと話していたというのです。
「大きな蜘蛛がいるから、見ていただけだよ。」
そう言った私を見て、aちゃんはすごく不思議そうな顔をして言いました。
「天井から出てきたお祭りの格好をした人と話してたじゃん。」
お祭りの格好の人?天井から出てきた??
私の頭には疑問しか出てきませんでしたが、なんだかすごく怖くなって、どちらからともなくその家から走って抜け出しました。
家から出て、そのままaちゃんと解散してしまいました。
その日夢を見ました。
夢の中で、私はベッドの上で眠っているのです。
そんなとき、玄関の引き戸が開きます。そして入ってくる着物を着た女の人。
家の中をぐるぐる回り、全ての部屋を覗き込みます。
そしてついに私と妹が眠っている部屋に入ってきます。
なぜか、はやく気がつかなきゃ!はやく!はやく!!と、夢の中の私は必死に眠っている私に呼びかけます。
夢の中で走るとうまく進めない、あの感じに似た嫌な焦ったさを感じたと思います。
そして、ハッと目が覚めました。
当時、私は二段ベッドの上段で寝ていました。
目が覚めて、ふと横を見ると顔がありました。
驚きすぎて、声が出ませんでしたが、よく見るとそれは下段で寝ていた妹の顔でした。
「脅かさないで、なにしてるの?早く寝ないとお母さんに怒られるよ。」
たぶん、そんなことを言ったと思います。
妹は小さな声で、お姉ちゃんのベッドで一緒に寝てもいい?と聞いてきました。
狭いし、普段なら断るのですが、こわい夢を見た私は承諾しました。
となりに潜り込んできた妹は、布団を頭までかぶります。
つまりそうなると、私も布団の中に潜ってしまいます。
寝づらい、普通に寝たいのに。
そう思っていた私に、妹は言いました。
「さっき部屋に来た人に見つからないように潜ろうね。」
「部屋に来た人?」
思わず聞き返します。
妹は泣きそうな顔で言いました。
「足が長くて、細いの。あと早いから、見つかったら逃げられなそうで怖いよ。」
直感で、蜘蛛だと思いました。
夢の中の女の人は昼間見た蜘蛛で、私を探しに来たんだ。
一気に怖くなり、妹と手を繋いで眠りました。
次の日、祖母がお茶の準備をしていました。それはお客さんが来るときにするものだったので、だれか来るの??と尋ねました。
「お祈りの人が来てくれるから、玄関箒で掃除してくれる?」
「お祈りの人?」
「そう、このお家建てるときにもお祈りしてもらったんだけど、もう一回やってもらわないと。」
「なんで?」
玄関を箒で掃きながら私が聞くと、祖母は答えました。
「家グモが出たからねぇ。前にお祈りしてもらった時は大丈夫だったんだけど。」
祖母いわく、昨日の夜大きな蜘蛛が出たと。祖母の枕元の壁にベタッと張り付いていたそうです。
夜の蜘蛛は殺してはいけない、とのことで殺しはしなかったようですが、なにやらよくないことらしく、お祓いをしてもらうとのことでした。
私のせいでした。
そうとしか思えませんでした。
古い家から蜘蛛を連れて来てしまった。
そのあと、お祓いの人が来たみたいですが、あまり記憶にはありません。多分、怖くてそれどころじゃなかったのだと思います。
お祓いの後、あの夢を見ることも、蜘蛛が出ることもありませんでした。
成人式の時に久々に会ったaちゃんに、あの時は怖かったよね、という話をされるまで、すっかりこの体験は忘れてしまっていました。
aちゃんは忘れることはなかったそうです。
「だって、すごく怖かったじゃん。天井からダラーって髪の毛が垂れてて、私ちゃんの顔にかかっててさ。紺色の浴衣着てたと思うけど、なんかすごく不気味な声で話してて、、」
私には蜘蛛にしか見えていませんでしたが、aちゃんには女の人に見えていて、あの時お祭りの格好といったのは浴衣だったということです。長い髪が顔にかかっていたなんて、想像しただけでゾッとします。
あの蜘蛛はなんだったのか。
蜘蛛が出ただけでお祓いをわざわざ呼ぶなんて普通ではないのではないか。
今はそう思いますが、祖父も祖母も亡くなった今、父も母もなにも知りません。
古くなった家には、きっと蜘蛛なんて普通にいると思います。
ただあの夢を見ることはありません。
妹は、今でも蜘蛛が本当に苦手で、妹曰くあの長くて細い足が、あの日みた女の人に似ていて怖いそうです。
真相はなにもわかりませんが、あの蜘蛛は普通の蜘蛛ではなく、何か特別な存在の蜘蛛だったのではないか、と今になっては思います。
長くなってすみませんでした。
投稿者:さくらさん
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Gをやっつけてくれる益虫だってのは分かっているけど
怖さで言ったらGの100倍以上怖いよん!
それとタッタッタッタと足音を立ててたのを今でも覚えている
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