10/09/23
オカンが会社の同僚? から聞いたお話
話者は男なんだが、二十年も前、二十歳そこらの時分には暴走族をやっていたそうだ。
毎日、県下では難所として有名な峠道を、暴走族仲間と一緒に爆走していた。
ある日、その人の暴走族仲間の一人が事故を起こして死んだ。
その事故と言うのが妙なものだったそうで、カーブを曲がりきれなかったのか、
彼と彼が乗ったバイクは峠道の外に放り出され、あとはバイクごと谷深い山中へと消えていった。
一緒に走っていた仲間の通報ですぐさま警察がやってきたが、どういうわけか谷底から彼とバイクが見つからない。
数百人態勢での捜索活動が行われたが、結局彼の遺体もバイクも見つからなかった。
数日後、話者の男性が夜中、暴走仲間の男女四人と車でその峠道を通った。
しばらく経って、今までわいわい騒いでいた運転手の男性が急に押し黙った。
どうしたんだとみんなが言うと、運転手の男性が「何か聞こえないか?」と言って耳をすます仕草をした。
突然なんだと耳を澄ましてみると、後方から改造バイク特有の、唸るようなエンジン音が聞こえてきた。
「あいつのバイクの音だ」
暴走族だったこともあって、エンジン音を聞いてすぐに、そのエンジン音が事故を起こした彼のものだと気がついたそうだ。
すぐに、後方からバイクのライトが追いかけてきた。
そのヘッドライトは光が上下二股になっていた。その改造も、やはり彼のバイクに施されていた改造だった。
車内は騒然となった。遺体が見つからないとはいえ、場所が場所だ。彼が死んだことは間違いない。
だったら後ろから追いかけてくるのは……。
とにかく車を路肩に止めて、彼が来るのを待つことにした。
バイクの唸りがすぐ背後に来た。ヘッドランプの光が車の横に来た。
物凄い唸り声を上げて、彼のバイクは車の横をすり抜けて行った。
テールランプが見えた瞬間、あ、と全員が声を上げた。
「車体がない」
そのバイクはヘッドランプとテールランプの光しか見えなかった。
ランプの光に照らし出されて浮かび上がるはずの車体も、搭乗者も、見えなかった。
体のないバイクは、そのまま峠道の向こうに消えていった。
彼の遺体も車体も、いまだに見つかっていない。
東北の某所、自殺の名所としても有名な峠道であったお話。
引用元:http://toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1285138410/
コメント
コメント一覧
山じゃないけど行方不明者が多い場所
事故ったことが明らかなら、バイクや体の捜索はネズミの仲間とネズミの家族に任せて、切り上げたいところだよな。
何通報してんだよ、遵法精神のかけらもないくせに。
いまどき
2010年の20年前を「いまどき」とは言わないが、当時20才前後だったコメ7には「いまどき」なんだとしたら、その頃すでに整備が行き渡らない酷道はあったよ。
自分の「いま」なのにわかんないってすごいな。
無いよね。他の重大な事件が日々起きてるし警察は人員不足。交番がいくつも廃止されてるぐらいに。
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