狂気

10/09/15
やはり無痛症になった子供と母親の話。 
病気になった子供がちゃんと成長できるかどうか、いつも母親は心配していた。 
痛みを感じないため、治療が遅れて小さな怪我でも致命傷になりかねないからだった。 

そんなある日、その子供の乳歯が抜けた。 
それを見た母親は、「ああ、この子も少しずつ成長しているんだ」とささやかな幸せに微笑んだ。 
母親の嬉しそうな顔を見て、幼い子供も喜んだ。 

翌朝、まだ眠っている子供を起こしに行って、母親は悲鳴を上げた。 
子供の枕もとに、血のついた歯が何本も転がっていたからだ。 

歯が一本抜けただけで喜んでいる母親を見た子供が、それならたくさん抜けば、もっと 
喜んでくれるに違いないと思って、自分の歯を全部抜いたのだった。 

以上は講談社の「メフィスト」平成10年5月号の座談会に載っていました。 
実話ではないか、と書いてありましたが、詳細は不明です。 


引用元:http://toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1284067828/