怪しい

09/05/04
母ちゃんとその友達数人の体験談で申し訳ない上に、あまり怖くない。 

母の実家は九州某県の山里。母が小学生の頃、友人数人と近くの川にホタル狩りに行った。 
俺も訪れたことがあるので分かるのだが、かなりの大河で山間部でも川幅はゆうに100メートルを超える。 

帰り道。母たちは捕獲した蛍を手に手に、川にかかる橋を皆で渡ろうとしたら友人の1人が「誰かいるよ」とつぶやいた。 

指差す方向をみると、月明かりの中、橋の欄干の上に黒い服を着た男が1人、川の方に足を投げ出す感じで腰掛けているのが分かった。 
ちなみに橋の高さは10メートルぐらいだ。 

母たちは「変な人」「危ないよね」などとコソコソ話しながら男の横を通り過ぎようとした。 
その瞬間、ちょうど対向からきた車が男と母たちの間を通り抜けたんだ。 

視界が遮られたわずか1、2秒の間に男の姿が消えていた。当然、母たちは男が「川に落ちた」と思ったらしい。 
しかし、昔の田舎で外灯もなく、川面を覗き込んでも何も見えない上、音も川の音だけ。 
母たちは親を助っ人に呼ぼうと急いで橋をわたろうと走った。 

ようやく向こう岸に差し掛かった瞬間、視界の端に入ったのは、同じ座り方で橋の欄干に座る黒い服の男の姿だった。 

母たちは阿鼻叫喚で家に逃げ帰ったそうな。


引用元:http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/occult/1239716040/