15/09/23
霊的な現象は一切 含まないし、実際に怖いと感じていたのは
私だけかもしれない。もし少しも怖くなかったらすみません。
創作も脚色もせず、事実だけを書きます。
長い時間が経過したので、もう書いてもいいかなと思ったのと
誰かに聞いて欲しくなり書き込む事にしました。
以下、名前は全て仮名です。
当時、私は20代前半で、とある会社の入社2年目の気楽な独身男で、
ここでは本田と名乗る事にします。
1年先輩の三上さん(男)とコンビで一つの業務を回していた。
三上・本田コンビに限らず、他のコンビの仕事量も増え負担が重くなっていた為
中途採用を行いそれぞれのコンビに1人ずつ つける事になった。
我々についた新人は森下さんという女性で年齢は私の1~2歳下。
また、森下さんの本当の苗字は非常に珍しいものだった。
漢字3文字なのだが、その内の2文字が異常に画数が多い字で
更にその2文字が極めて悪い意味を持つ漢字なのだ。嘘のような苗字だ。
しかし 森下さんは明るくノリのいい性格で
3人で週に何度も飲みに行くようになっていった。
ある夜、3人で飲み過ぎてしまい私と森下さんは終電がなくなってしまった。
三上さん宅だけ、間に合うので酔った勢いで3人で三上さん宅に向かう事になった。
一応、森下さんには他の手段も提案したが、全く気にならないらしく
「三上さんち泊めて~」とあっけらかんとしたもの。
三上さんの家は男の一人暮らしの家にしては小奇麗な1LDKで、
3人とも上手いこと寝れそうなスペースを作ってすぐに寝っころがった。
以下、三上さんの談。
私は森下さんに 妙な違和感というか居心地の悪さを感じていた。
頭のネジがどこか少し緩んでいるような、0.1次元ズレた世界で生きているような。
どこか感情が欠けている、と言えば 近いだろうか。
その後も3人でよく飲みに行っていたし、三上さんは何度か関係を持っていたが
担当替えがあり、森下さんから別の者に変わった。
担当替えの後の三上さんの言葉。
「なんかさーあの娘、一緒に住もうとか、結婚をほのめかすような発言とか
してきてさー。結婚なんかするかっつーの」
まぁ、ある意味 非常に男らしい発言をしていた。
私が意外だったのは、彼女が結婚などを求めているという事だった。
そんな願望があるようにはとても見えないのだが・・・。
予想通り、森下さんの男性遍歴は加速していった。
私が仲良くしていた後輩とも頻繁に関係していたのだが、
少し慣れてくると一緒に住もう、結婚したいと言い出すようで、
その後輩もうんざりして連絡を取らないようにした、と言っていた。
1年半くらい経った頃だろうか、森下さんは別の事業所への異動がきまった。
私は内心 いい機会だと思っていた。
彼女について、その事業所では 悪い噂がたちすぎていた。
しばらくして・・・・・・
森下さんがいった事業所にいる同期入社の仲間と飲みに行った。
その時 聞いた森下さんの近況だが、社員の1人と結婚前提で付き合っている
というのだ。その相手は西本さんといい、私も知っている上司だった。
以下、その時の会話の一部。
本田「西本さんて、実家、裕福で育ちの良い感じだったよね・・・?
森下で大丈夫なのかな?」
同期「いや、かなりモメてるみたい。しかもあの苗字がさ・・・。
西本さんの親はかなり気にしてるみたいだぜ。しかもあの娘、
こっちでも色々やらかしてるからさ。西本さんも知ってる
と思うんだけどな」
・・・と、まぁこんな感じで周囲は水面下で注目していたのだが、
めでたく結婚する事になったのだ。
その結婚から数か月が経つ頃、こんな話が聞こえてきた。
西本さんが、ふさぎ込んでいたり、怒りっぽくなったりと情緒不安定で
周囲が困っているらしいのだ。
「あぁ・・・西本さん、全部は消化しきれないまま結婚したのかな…」と
気の毒だったし、西本さんの下で働いてる人は とばっちりを受けているわけだし
なんだかんだで森下さんの影響力は絶大なのかもしれない。
そんな中、森下さんが妊娠したのをきっかけに退職するというニュースが
入ってきた。おそらく誰もが、これで西本さんも平穏を取り戻して
くれるだろうと期待したし、何よりもおめでたい話なので祝福して
送り出した。
森下さんを嫌う女性社員は多かったが、奔放で過激な彼女を慕う女性社員も
数人いて、彼女等は退職後の森下さんとよく会っているようだった。
その1人、沢田さんは、私のすぐ近くの机で勤務しているのだが
ある日、聞いて欲しい話があると言う。
妙にかしこまった沢田さんが意を決したように話し始めた内容は思いも
よらぬものだった。
森下さんは妊娠などしていない。
ゆっくりとだが確実に正気を失いつつあったので、会社で何か大きな
トラブルを起こしたり奇異の目で見られる前に西本さんが退職させた。
何人かが退職後も頻繁に会いに行っていたのは正気を取り戻す手伝いが
出来れば、と思っての事だったようだ。
本田「しかし、正気を失うってのは、どういう状態なの?病名は?」
沢田「むりやり分類すれば、病名もつくようですが、個人差の
激しい分野で人それぞれだそうです。記憶をよくなくしちゃうんですけど
記憶の無い時間は、何をしでかすか分からないみたいです。」
本田「そうなんだ・・・西本さん1人じゃ見きれないよね。
森下さんの両親は?手伝ってくれないのかな?」
沢田「それが・・・両親はもう亡くなってます。
実は・・・森下さんのお母さんも、よく分からない症状が出て
森下さんが小さい頃から寝たきりになってたらしいんです。
それで西本さんの実家は結婚に大反対してたんです。
でも、西本さんは精神の病は遺伝なんかしないって言って
押し切って結婚されたんです。それが・・・こんな事になってしまって・・・」
沢田さんは泣きながら話を続けている。
私はぼんやりと森下さんを思い出していた。
大勢の男性と次々に関係を持ち、一緒に住もう、結婚しようとお願いする。
自分が母と同じような状態になる前に・・・?
そこまで考えていたのかどうかは分からないが
猛烈に怖くて寂しくて、誰にも相談できなかったのだろう。
しかし西本さんには感服した。全て承知の上だったのだ。
森下さんも隠すこと無く打ち明けていたのだ。
その事が少しだけ救いだった。
だが・・・後天的な精神疾患なら遺伝などしないだろうが、
先天的な脳の問題だったらどうなんだろうか。
その後、西本さんは辞職した。
夫婦2人の携帯は解約されたようで、電話もメールも出来なくなった。
もっと親しい関係の人は新しい連絡先を知っているのかもしれないが
私の周りには知る者はいなかった。
その後、沢田さんも辞職したので、私が知っているのはここまでだ。
引用元:http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1440824523/
コメント
コメント一覧
単に自分の姓が大嫌いで結婚で変えようと体を武器にガツガツしていただけかもしれない。
それから仮名、三文字姓なら仮名も三文字姓にしろ。気が利かない。
コメントする