
09/06/22
夏の夜でした。
スイカを食べた後、花火をしようと外に出ました。
満腹で蚊取り線香の匂いが心地よく虫の音も聞こえていました。
弟や父は家の中。でも縁側のすぐ横の部屋でテレビに夢中でした。
でも始めたらすぐに出てくるだろうと思っていました。
昼間の暑さは消え、心地よい空気でした。
ろうそくに火をつけようと振り返ると母の顔が見えません。
青い地に黄色いひまわりの柄のワンピースは浮かび上がって
いるのですが、顔も手も足も闇に溶け込んだみたいに真っ黒です。
母は明るい家を背にしているから逆光なのかなと思いました。
「おかあさん」
呼びかけに返事がありません。
五メートルくらい離れているでしょうか。それ以上こちらに近寄ってもきません。
急に怖くなった私は走って母の横を通り抜け家に逃げ込み、玄関の引き戸を閉めました。
青いワンピースの黒い影がこちらに入ろうと近づいてきます。
引き戸越しにもやはり肌色部分は見えず、墨汁で塗りつぶしたような黒。
鍵を閉めて台所に逃げました。(父たちがいた部屋に行かなかったのは
あの母の姿が覘くのが恐ろしかったから。
すぐに父が来ました。「どうしたん」と。
何もしゃべれませんでした。しまったままの鍵が気になりましたがそのまま
奥の部屋(いつも寝ていた場所ではない)で座布団を枕にして
寝ました。頭の奥が妙に冷たくて、気持ち悪くて自分の意識をはやく
なくしたくて必死で目を閉じてました。
次の日、父や母から鍵をかけたことを怒られたりはしませんでした。
怖くて聞けなかったし、向こうからも何も聞いてきませんでした。
夢かなとも思うんですが、やっぱり夢じゃないと思います。
それから2年か3年か後、私が小学校2年のとき、
母は帝王切開のあと一度だけしか目を覚まさず、その日のうちに逝きました。
20年たった今でもふとこの夏の夜のことを思い出します。
これって一体何だったんでしょうか。似たような体験をした人がいたら
話が聞きたいです。
引用元:http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/occult/1251100470/
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ちびっこ八雲は恐怖で階段から転げ落ちる。
その後ジェーンは早逝してしまう。
死の予兆だったのだろうか。
現実のお母さんではなかったんだろう
お父さんが報告者に気付いて声をかけてくれてよかった
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