18/11/27
山ヤの中では白馬山系白馬は「ハクバ」と読まず「シロウマ」と読むのがツウらしいです。
でもどちらかと言うと観光登山の私は「ハクバ」の方が雪国らしく好きです。
残雪期白馬を見たく、八方池・唐松岳のルートを取ったことがあります。
が、午後近くの登りでゴンドラを降り八方池山荘を横切ると既に陽は斜めになった挙句、久方のラッセルは兎に角骨身に応え、太もも近くまでも雪に沈むと焦燥感も増し第2ケルン、丸山ケルンと歩を進めました。
陽も落ち、視界も効かなったので少し返して幕営準備となりましたが、その夜不思議なことが起こりました。
楽しみにしていた米国産真空フリーズ食材を吟味し終り紅茶を飲んでいた時、テントの外に人の気配がするのです。何人かの話声が途切れ途切れに小鳥がさえずる様に話しているのです。
私が「誰⁉︎ どちら様?」って、一応声を掛けテントのジッパーを下ろして伺っても誰もいない…
これが何度か続き抑えきれなくなって外へ飛び出し、周りを見るも誰も居ない、そして声の方へ向かいながら突如足を竦めたのは、その先は千丈の谷底でした。
よく浮石から浮石へ跳んだ時に重心を摂りますが、あの体よろしく私は必死で引く力に逆らいました。
なんとかテントに戻るや飲み物で落ち着かせ、ダウンの中でウトウトしていた深夜のこと、またも声がとどきます。
「来たら良いのにね」「そうだね」という母娘の様な声でした。
最後にダウン深くくるまり時の過ぎるのを待ちましたが、怖さより身に迫る荒涼な淋しさを感じました。
翌朝はホワイトアウトで1m先も分からず、ワンデリングとかいう同じ処を回りだす現象に悩まされ、赤い布の目印を辿らなければ危なかったと思います。
最近NZの留学生があの辺りをスノーボートしていて滑落事故で亡くなったとか。私の時も確かいた様な気がしますが御冥福を祈ります。
投稿者:山幸彦様
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「吟味」の意味がわかってない松
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