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08/08/15
小学校低学年の頃、一人で下校中、後ろに気配を感じ振り返ると 
赤いランドセルを背負った化け物みたいな顔をした女の子がとぼとぼ歩いていた。 
「化け物」という表現は大袈裟だろうと思った人もいるだろうが 
実際、彼女の目は両方の大きさが明らかに違ったし、顔の皮膚はブチの犬みたいに 
ところどころが変な色してた。 

幼く空想好きだった私は、この化け物がこのまま跡をつけてきて 
人影のない所で私を殺すんじゃないかと恐怖にどきどきしていた。 
自分より下等な者に対しての扱いは何となく分かっている(説明はまたいずれ)。 

私は「ついてくるな」とばかりに何度も何度も振り返り、鋭い目つきで化け物を睨みつけた。 
その度に化け物は悲しそうな顔をした。 
化け物の家と私の家の方向が同じだと後に知り、私は一人でもんどりうってしまった。 

数年後、父が母に化け物一家の話をしているところを盗み聞きした。 
どうやら彼女は朝鮮人で、母親と弟と三人で暮らしている。 
弟はまだ幼い(私より)のにすでに素行が悪いらしい。 
私は彼女に対して申し訳ないと思っていたし、可哀想だとも感じた。 

暫くして海外旅行に出掛けた母が、色とりどりのお菓子と服と共に帰ってきた。 
一番キレイでなおかつ美味しいお菓子と一番可愛い服を紙袋に詰め 
一週間ほど近所をうろついた。 

彼女と遭遇した時、睨みつけてはいないのにまたしても彼女は悲しそうな顔をした。 
一度も喋ったことはないのに、私は気安く話しかけ 
公園に連れて行き、一緒にお菓子を食べ、少しお話して残ったお菓子を押し付けた。 

服をあげるのはあまりにもバカにしすぎだと思い、持って帰った。 
今にして思えば、お菓子を押し付けた時点で彼女は自分がバカにされてると 
気付いていたと思う。 

それでも、お話してるときの彼女はとても嬉しそうだった。 
私もとても嬉しかったし満足した。 
それから彼女と話すことは二度と無かった。 

さらに数年後、彼女の弟が、盗んだ車に後輩を乗せ事故を起こし死なせた。 
亡くなった子も本当に可哀想だが、彼女がどうなるのか心配だった。 
今後あの家族がどうなるのか、母が父に尋ねてくれたが「終りだ」としか答えてくれなかった。 

父の職は間違いを犯した人間を相手にするもので 
その父が終りだと言うなら、終りなんだろうと納得した。 
忘れた頃に彼女は自殺した。 


引用元:https://hobby11.5ch.net/test/read.cgi/occult/1215588701/