夜の山道

105:本当にあった怖い名無し:2006/05/02(火) 12:32:41 ID:WE45oNv10
じゃ駄話をひとつ 
大学時代の友人にUという奴がいる。 
面白いほどトラブルを持ち込んでくる男だ。 
DQNではなく、むしろお人好し過ぎるからだ。 
一度など、隣人のあんちゃんがひき逃げやらかして 
自分のガキを置いて逃げたとき、 
親代わりに、何日間か面倒をみていた程だった。 
その話を後から聞いたときは心底呆れたが、 
Uらしいなと苦笑した。 
そいつが大学時代にとんでもない体験をしたことがある。 

夏休み、Uは彼女とドライブに行った。 
日帰りだったのだが思いのほか遅くなって焦っていたという。 
俺だったら無理して帰るどころか一泊のチャンス、と思うのだが 
Uは夜中に車を走らせていた。 
最初は息苦しさを感じて、次に胸がグッと痛み出した。 
そして寒気。 
いくら北海道の山の中でも夏は夏だ。 
インフルエンザ、と思ったそうだ。 
不要な心配かけたくなかったので、彼女は起こさなかった。 
しかし寒気、悪寒がひどくなり、路肩に寄せて一息つこうとしたとき、 
ヘッドライトが異様なものを照らしていた。 
ボロボロな格好をした人間が何人も連なって歩いている、背を丸めて。 
肌の色は緑がかっていて、目も口も真っ黒な穴のよう。 
すごく違和感をおぼえる色彩を放っていたそうだ。 
ジャリ、ジャリと何かを引きずる音。 
そして、おしっこと汗の煮詰まったような強烈な匂いがガーンと直撃した。 
恐怖のあまり寒気すら忘れていたUだが、その時に嗅いだ匂いは 
一生忘れられないほどだったらしい。 



106:本当にあった怖い名無し:2006/05/02(火) 12:39:13 ID:WE45oNv10
その時、隣の彼女がUを呼んだ。 
すると彼らの姿が消えた、Uは直ぐに車を発進させた。 
「どうしたの?」 
只ならない様子を感じて彼女はUに聞いた。 
Uは「何でもないよ」と答えて最寄のコンビニに駆け込んだ。 
コンビニのあんちゃんを見た瞬間Uは思わず感涙しかけたそうだ。 

以上俺が彼から聞いた話。 
そんな作り話ができる奴とは思わないので実話だと思う。 
後日談だが 
怖がらせたくなかったので彼女には黙っていたUだが 
何故あの時起きて呼んだのか、聞いたそうだ。 
その答えはこうだった。 
「寒かったから目が覚めた」 


引用元:http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1146373033/