暗い部屋

706:本当にあった怖い名無し:2006/04/20(木) 01:54:48 ID:ENJoVxV10
2年ほど前の話。 
とある駅ビルのカフェレストランで昼食をとっていた時のこと。 
食事もほぼ終わり、セットのデザートが出された頃、 
女性2人と子供2人の4人連れが入店してきた。 
女性達は主婦仲間なのか、畳んだベビーカーを引いていて、 
子供は3歳くらいの男の子と、1歳くらいの女の子。 
あまり子供が好きじゃない私は、こっちの席に来て欲しくないな・・と思っていた。 
しかしその願いもむなしく、店員は私の斜め後ろ辺りの壁際の席を案内し、 
4人はそこへと歩いてきたのだが、その途端、唐突に子供が泣き始めた。 
私はそちらに目を向けるのも嫌だったのだが、声から泣いてるのは男の子だと分かった。 
突然堰を切ったように激しく泣き出し、何かを嫌がっているようだった。 
しまいには、「こわい~~~!!」と大声で泣き、母親たちも困惑している様子。 
私はそれでも無視していたのだが、ついに耐え切れなくなり、その親子連れへ目を向けた。
すると、母親に抱きかかえられた男の子は、案内されるはずだった席の上方を指差して、 
「やだ、こわい~~~!!」とひどく怯えていた。 
この店内には洒落た絵画などが飾られていたから、きっと変な絵でもあったんだろうと、 
指差す方に目を向けると、 

そこにはただ、真っ白な壁があるだけだった。 

しかし男の子は、母親が一歩でもそこへ近付こうとすると、より一層激しく抵抗する。 
背筋に何か冷たいものが走った。店内の客もみな唖然としている。 
店員も困惑していたが、母親が「すみません。何かよく分からないんですけど、 
他の席にしてもらってもいいですか?」と伝えると、あっさり別の席へと案内した。 

あの席から離れると、すぐに男の子は泣き止んだ。 
彼には一体、何が見えていたんだろうか…。 
残された客の間には、嫌な空気が漂っていた。 


引用元:https://hobby7.5ch.net/test/read.cgi/occult/1144818776/