メンヘラ

354:謎 1/4:2006/12/30(土) 19:58:23 ID:CYFIitcf0
俺と姉貴は中二の頃まで一緒の部屋だった。 
もとより中の悪い俺たちは口をきくことすら稀だった。 
中学二年生、俺の足の傷に変化はさほどない。 

その日、いつもの時間帯に起き、立とうと 
した時だった。急激に足に激痛を感じ、驚き 
倒れてしまった。家中にまで響き渡る勢いだった。 
駆けつけた母が来て部屋の明りをつけると 
布団は血で染まっていた。 

そして、その血は俺の脚の傷からだった。 
今までに血は何度も出ているが、この量は 
あの四年生以来の量だ。 
俺も母も驚き、暫くは動けなかった。 
俺はその日学校を休んだ。 
体調が悪いわけでも無いので、休めた分 
嬉しかったが、それと同時にやることが無かった。 
父は仕事。母は買い物。 
家にいるのは俺と、眼が見えなくなった 
婆ちゃんの二人だけだ。 
だが、婆ちゃんも寝たきりで話すのも困難だ。 
悩みに悩んだ末、結局は昼寝をした。 



355:謎 2/4:2006/12/30(土) 19:59:04 ID:CYFIitcf0
ゆっくりと目が冷めた。 
時計を見ると既に七時。寝すぎた。 
昼寝の特有の頭痛が起きる。部屋の明りをつける。 
暫くボーッとして下へ降りる。 
母は既に夜の仕事へ行った様だ。 
茶の間にはご飯の支度がしてある。 
一人でご飯を食べていると姉が帰宅した。 
姉は帰るといつもすぐさま自室(俺と同室だが)に向かい、 
一時間くらいしたら下に下りてきてご飯を食べる、 
という極めて変な奴だった。 
だが、父が帰ってきて、すでに十時だというのに 
一向に下りてくる気配が無い。 
俺はおかしいと思い、姉の様子を見に行く事にした。 
扉を開けると、姉は椅子に座って本を読んでいた。 
そして、俺の顔を見ると、急に立ち上がって 
俺の腕を掴んで俺を椅子に座らせた。 

わけのわからない行動に混乱していると、 
姉が物凄い形相でキレ始めた。 
姉はヒステリックだ。それも異常なまでに。 
姉が高校に入ってからはほとんど精神科へ 
行っていたくらいだ。 
そして、俺も我慢できなくなりキレると、姉が 
こう言ったのだ。 
「手前のせぇで昨日は眠れなかったのに何 
 逆ギレしてんだクズ野郎!」 



356:謎 3/4:2006/12/30(土) 20:00:06 ID:CYFIitcf0
訳が解らなかった。というより、眠れないって言うのは 
こっちのセリフだろう。 
こっちはいつもあんたが夜中まで勉強してるから 
明りが眩しいからアイマスクまでしてるってのに。 
だが、姉のいう話は本当にチンプンカンプンだった。 

姉が寝ていると俺が起こしたらしい。 
姉は何事かと思い俺を見ると不思議に思った。 
俺は正座をしていて、白目を剥いていたそうだ。 
そして、姉が擬視していると、俺は何かを話し始めた。 
だが、姉は俺が何を言っているのか理解出来ないうえに、 
起こされたと言う怒りで「聞こえねぇよ!」と言うと、 
俺は舌打ちを打ち、そこで崩れ落ちたように眠り始めた 
そうだ。 
姉はそれを話し終えるとずかずかと下に下りていった。 
俺は身に覚えの無い話をされて、唖然としていた。 
寝ぼけていたのか? 
けど、寝つきはいいし、寝起きもいい。 
ハッとした。 
姉のさっきの言葉だ。 
「白目を剥いていた―」 
有り得ない。それだけは有り得ない。 
何故なら俺はいつもアイマスクをしている。 
それに、何故それを確認できたんだ。 
夜中なのに。 
暗闇の中、何故体位まで解ったんだ。 



357:謎 4/4:2006/12/30(土) 20:00:57 ID:CYFIitcf0
俺も姉も無言のままその日は就寝についた。 
いつもの事だからあまり気にはならない。 
だが、さっきの姉の話の内容を考えていると 
やはりなにかゾッとするものがある。 
何を伝えようとしていたんだろう。 
それは本当に俺だったのか。 
そして、今朝脚が血まみれだった事を思い出し、 
コレが原因だったのかと思い、納得 
することにした。 

余談だが、その日から姉は時々変な声が 
聞えるようになった。 
その変な声とは、俺がいっていたらしき言葉だ。 


引用元:http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1166257709/