月

740:本当にあった怖い名無し:2007/07/30(月) 14:04:08 ID:UwW9yW4/O
退屈な授業の合間にひとつ。 

私の祖母は、一般的に霊とか言われるものに敏感だった。 
そう言うものは遺伝する、とよく聞くが、 
例に漏れず私たち兄妹もそれを受け継いでいる様だ。 

私はあまり覚えていないが、母から前住んでいた家の話を聞いた。 

私たち家族は、住んでいたマンションが建て直されるので、 
父の知人に借家を紹介してもらった。 
築3年程で、白い壁に青い屋根の袋小路に位置するその家は、 
庭も広く当時私が通っていた幼稚園にも近かったので、 
すぐにみんなが気に入った。 



741:本当にあった怖い名無し:2007/07/30(月) 14:07:12 ID:UwW9yW4/O
母から聞いた前住んでいた家の話。 

その家に住み始めてひとつき。 
母が深夜におかしな音を聞き始めた。 
夫は仕事、子供たちは自分の隣で寝ている。 
それなのに、深夜2時をすぎると何処からか、シャララ..シャララと乾いた音が聞こえる。 
夜に調べるのは怖いから、昼間に探してはみたが、 
音の正体は見つからなかった。 



742:740:2007/07/30(月) 14:08:52 ID:UwW9yW4/O
深夜の物音に慣れて来たある日、母は息子たちを小学校へ、 
娘を幼稚園へ送り出し、出掛けた。 
買い物をし近所の友人たちとの会話に花を咲かせていたら、 
気が付けば15時を過ぎている。 
急いで帰宅すると、まだ、誰ひとりとして家にはいなかった。 

子供たちが帰ってくる前に掃除を済ませておこう。 
そう思った母は、2階に向う。 
だが、2階行くと掃除どころではなかった。 
2階の障子全てが破かれている! 
(補足だが、うちの障子は3x6くらいの 
小さい長方形がたくさん並んでいるタイプだ。 
その1マス1マス全てに5つの小さな穴が空いていた) 
驚いた母は、盗難にあったものはないかを探した。 
だが家は、荒らされるどころか、何かが侵入した様子もない。 
手の指の形あけられた穴に手をあててみると、 
自分の指よりも随分と細い。 
これは子供たちの悪戯だろうと思い、母は子供たちの帰宅を待った。 



743:740:2007/07/30(月) 14:10:21 ID:UwW9yW4/O
「ただいまー」 
息子たちが帰ってきた。 
母はふたりを2階に連れていって問いただす。 
けれど、ふたりは言う。 
「俺達じゃない」 
「だって俺達じゃ1番上までとどかないし」 
確かに、ふたりはまだ小学校高学年で、背伸びをしても1番上までは届かない。 
「それにこの穴、俺の手より小さい」 
下の方の息子が手をあてると、穴は次男の指よりも細い。 
それは長男でも同じだった。 

「それに母ちゃん、俺達が帰ってきたのは母ちゃんの後だろ? 
俺達じゃ家にはいれない」 
言われてはじめて気付く。 
子供たちには鍵を持たせていなかった。 

しばらくして、他にも色々と不可解なことが起こり、 
この家を引っ越すことになった。 
相談してみたら、この土地自体が私たちの血が合わなくて、 
亡くなった人たちが助けを求めて集まるらしい。 
袋小路だったことも原因して、 
よくないものがそこに集まってしまった様だ。 



744:740:2007/07/30(月) 14:11:21 ID:UwW9yW4/O
最後の大掃除の時に、 
自分たちは使っていなかった押し入れの天袋の掃除をした。 
そこで前の人の忘れ物を見つける。 
どうやら、おもちゃ箱のようだ。 
片付けようと持ち上げると、母が毎晩聞いていた 
シャララ..と言う小さな積み木のぶつかる音が響いた。 

他にもこの家では色々とありましたが、長くなるので割愛します。 
長文失礼しました。 



745:本当にあった怖い名無し:2007/07/30(月) 14:12:56 ID:ToEtN5SM0
淡々とした文章の中に、そこはかとない怖さが・・・ 


引用元:https://hobby9.5ch.net/test/read.cgi/occult/1185186584/