孤独

362 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/08 14:04
後味悪いかどうかわからないけど・・。 

私が小学生のころに父親が家を出て行きました。そのころの私は幼く、 
なぜ父親が家を出たのか、それ以前に「父親が家にいなくなった」こと 
自体に違和感を感じていませんでした。 

月日は過ぎ、私は26歳になりました。 
ある日家の電話が鳴り、私が受話器をとったところ、向こうから聞こえて 
きたのはもう十何年ぶりに聞く父の声でした。 

父の話した内容は「ミカ(私)やお母さんや私の兄に会いたい」「肝臓を 
やられていて、もう余命半年」「今は生活保護を受けている」等々・・。 
その時の私は何の感情も湧かず、適当にあしらって電話を切りました。 
別に父親を恨んでいた、とかそういうわけではありません。 
「思い入れもなかった」ということです。 

続く 



363 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/08 14:13
母親から「お父さんは虚言癖があった」等、大きくなってから聞かされて 
いたのも、その電話を適当に流してしまった理由の一つかもしれません。 

それから週に1度、決まって日曜に父親から電話がかかってきました。 
「今ミカは何の仕事をしてるんだ?」 
「何歳になったんだっけ?」 
「お兄ちゃんと仲良くやってるか?」 
話す内容は毎回同じでした。というより、2分前に聞いた事をまたすぐ 
に聞きなおしてきたり、どこか違和感のあるその会話に私は辟易して 
7、8回目の時の電話で私はこう言ったのです。 

「こっちにはもうこっちの生活があるんだよ。生活保護受けたのなんて 
 自業自得でしょ?頼られてもあたしは何もしてあげられないよ?肝臓 
 云々の話だってどうせ嘘なんでしょ?」 

父は小さな声でこう言いました。 
「ただ、会いたいだけなんだよ」・・電話は切れました。 

続く 



365 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/08 14:28
それから父からの電話は途切れ、何ヶ月かすぎた日のこと。 
電話が鳴り、それをとった私の耳に飛び込んできたのは全然知らない 
男性の声でした。 

「■■市役所の者ですが・・ミカさんですよね?」 

そこで聞かされた内容は、父が半年前から肝臓を悪くして入院していた事、 
生活保護でなんとか暮していたこと、そして一昨日病院のベッドで一人冷たく 
なっていたこと。 
それから、遺骨を父方の家系の人間が引き取ろうとしてくれないので、こちら 
でひきとってくれないか、と。 

私は断りました。無縁仏の納骨堂に納めてください、と言いました。 

冷たいかもしれないけど、私は「父が死んだ」という話自体で何の感情 
も浮ばなかったのです。悲しみも哀れみもなにも。 

ただ1つ。 
病院から毎週日曜日、そんなお金も無い状態で私に電話をかけてきた父 
の気持ちはどんなだっただろう。最後に会ってあげてれば・・「肝臓云々 
も嘘なんでしょ?」なんて言わなければ良かったなぁ、とも思います。 

父の寂しい気持ちを考えて、少し心残りだな、と思ってこのスレに書き込み 
したのですが・・。後味の悪い話とは少し違いますよね・・。 
長文すみませんでした。 



366 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/08 14:39
>>365 
死ぬ前に会って謝りたかったのかもね。 
でもあなたの気持ちも分かるよ。 
現実は小説や映画みたいにハッピーエンドばかりじゃないからね 



368 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/08 15:08
>>365 
家族を捨てておきながら弱ったら懐いてくるなんて 
虫が良すぎると思ってしまう・・・。 
自分があなたの立場だったら同じ事するだろうな。 
あなたは間違ってないと思うよ。 



369 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/08 15:11
電話で話したのはミカさんだけだったの? 
お母さんや妹さんの反応も同じだった? 



370 :365:03/06/08 15:21
私が父に対して今思うのは、「寂しく死なせてしまったなぁ・・」という 
ことだけです。「父親の死」ということにはなんの感情の動きもありません。 
父に対しての心残り、というより私自身が心残りという自己中心的な考え 
なのかもしれませんねぇ・・。 

ちなみに母も兄も電話には出たがらなかったので、私だけ父と話してました。 



371 :369:03/06/08 15:30
>>370 
ゴメン。妹はあなただったね。 
電話で話しただけでもお父さんの最後の慰めになったのじゃないかな…。 


引用元:https://hobby3.5ch.net/test/read.cgi/occult/1053549136/