田舎の大きい家
13/07/13
以前、田舎の大きめの家を借りていました。

そこは前の住人の布団やタンス、ベッド、鍋が置いてあったままでした。(入居する時全て処分した)

仏間は仏壇こそないけど、そこに人の気配がして何人かいるなぁと思ってた。

初めは、そのオバケは私達をよそ者扱いして冷たかったけど、そこの※玄孫がうちの子と同い年で一緒に遊んだり泊まったりするうちに、オバケは優しい雰囲気になった。(近くに親戚の家あり)
※げんそん。やしゃご。孫の孫

突然の雨を知らせて洗濯物を濡らさずにすんだり、私にとって嫌な人が来ると、具合悪くさせて帰してくれたりした。

ある日オバケがやたらとざわめいていた。いつもよりパワーがある。

引き戸の部屋をパーンと音をさせて開けたり閉めたりして、他の家族をビビらせるくらいだった。(引き戸のある部屋は二階。誰もいない。)

なんだろう?と思ってたけど、そのままにしてた。話しかけても反応がなく、悲しそうな焦ったような感じが伝わってくるだけ。

廊下から水音がして行ってみると、なんと、壁からポコポコと結構な勢いで水が溢れている。穴も何も空いてないのに。半径30cmくらいの円形で、壁の真ん中から湧き水みたいに。

たまたま家族全員そろってたので、皆で唖然として見てたけど、私は「しゃーないなぁ…」と思って、家族にタオルケットやバスタオルを持って来させて床に置いた。

結局タオルケット二枚、バスタオル数枚ビシャビシャになったけど、数時間で止まった。

私が「私がいる間は大切に住まわせていただきます。どうかご心配なさならいで下さい」と心の中で伝えてた。

後からその日、大家さんのお婆さんが亡くなったのを近くに住む方から聞いた。

息子に買ってもらった家で、とても大切にしていたけど、息子さん夫婦が亡くなり、孫夫婦の世話になるのに都心に越したお婆さん。本当はこの家が大好きだったようです。

私にとっても、いい思い出のある素敵な田舎のお家でした。おわり。