
高校生の時、親元を離れ家賃2万の風呂無しアパートを借りて住んでいた。
その部屋にはなぜか黒いソファーが備え付けてあった。
6畳の部屋には似合わない本皮のどっしりとした大きなソファーで、大家のおじいさんが言うには、前の前の前くらいの住人が「いらないので」と置いていったとのこと。
住人が引っ越す度に「持って行けよ」と言うのだが「いや、いらないです」と断られるらしい。
それを聞いた自分は「うわあ!オカルト話でよくあるやつ!」なんて思ったが、貧乏でテーブルしか持っていなかったので、ありがたくベッド代わりに使わせてもらうことにした。
ソファーは左側の壁にピタリと寄せて置いてあり、動かそうにも一人ではビクともしなかった。