死に目を看取った叔父の話。
独身だった叔父は姉の子供のオレを我が子のようにかわいがってくれていた。
オレも叔父が大好きだったし、社会人になってからオレは叔父と同居して、叔父が亡くなるまで一緒に住んでいた。叔父には一つだけ変な癖があった。
叔父の変な癖とは、叔父は子供の掌をとても怖がる癖があった。どのくらい怖がっていたかというと、小さかった頃のオレが手を少しでも上げようとするだけで全速力で走って逃げるほどだ。
オレはそれが面白くて、よく手を叔父に向けたまま叔父を追いかけて遊んでいた。意地悪く追いかける俺が走り疲れて立ち止まると、叔父は息を切らせながらも、それでも引きつった笑顔で頭をなでてかわいがってくれていた。そんな、優しい叔父だった。