
といっても「見える」「会話する」ぐらいで他に特別な事が出来るわけではない。例えば事故現場にボケっと突っ立つ、どことなく色の薄い青年。私と目が合うと照れくさそうに目をそらす。
20余年こんな自分と付き合っていて、生きている人間と同じくらいの「何か」に引き留められている色の薄い(元)人を見てきたが、彼らがこちらに害を加えようとした事はほとんどない。
ある人は何かを考えこんでいるような。またある人は虚空を睨むように、その場に留まっている。自由自在に移動しているような奴は本当に極稀である。
正直、オカルト好きな私にとってこの体質は非常にありがたい。ラッキーと思っているくらいだ。
これまで「オカルト好き」と「見える」のお陰で色んな体験をしてきたが、私は私の体質が生まれつきのモノなのかどうか知らない。