14/05/19
4歳か5歳か、小学校に上がる前の、夏の終わりの話。
私は田舎にある母方の祖父母の家で昼寝をしていた。喉が渇いて目が覚めて、違和感を覚えた。何回も遊びに来ている家だけど、何かが違う。
部屋にあったはずのおばあちゃんのベッドがなぜか仏間にあるし、ただの壁だった縁側の突き当たりに謎の扉があるし。
広い家の中で私を一人ぼっちにして、おばあちゃんはどこかへ出かけたようだった。
セミの声もしないし、おじいちゃんが大事にしていた小鳥も小魚もいなくて、昼寝前にいとこと遊んでいた客間には、見慣れないティーセットが何組も飾られた、ガラス張りの食器棚が出現していた。