小学生の頃の話。
下校時、よく道路沿いの家と家の間の小道を通って帰っていた。
この小道を通ると近道になるというわけではなく、むしろ遠回りになるが、ある理由によりこの小道を通っていた。
その理由は後で説明するが、
この小道は2メートルほどの高い塀に囲まれていて、入り口の両方の塀にお札のようなものが貼ってある。
かなり古く何が書いてあるのかもわからない。
距離はかなり長く、50メートルほど歩くと住宅街に出て、右に進むとさっきの道路沿いの道に出る。
ある日、またその小道を通って帰っていたが、住宅街に出ると道に迷ってしまった。
迷うわけがない。左に進むか右に進むかだけだ。右に進んで道路沿いの道へ行けばいい。
でも迷ってしまった。どう行けば家に帰れるかわからない。