14/05/25
小学校三年生の時、東京の外れにある僕の小学校に男の子が転校してきた。
彼は関西地方の出身で、初めこそクラスのみんな誰もが物珍しがって彼に話しかけていた。
彼が関西地方独特のイントネーションでしゃべるたび、誰もが感心したように「凄い、凄い。大阪弁だ」と言ってはやしたてた。時に他のクラスの子や、別の学年の子が彼の関西弁を聞きに僕のクラスに顔を出す事もあった。
しかし、彼は恥ずかしがり屋で自分から話す事は少なく、やがて独りぼっちで本を読んでいる事が多くなった。