03/06/13
親父の家は田舎で郵便局長をやっていた。なので、親父が中学生の頃は夜中に電報の配達とか、しょっちゅう行かされてたわけだ。
その日も午前0時ちょっと前に叩き起こされて、隣の部落の家までチャリで電報を届けに行った。
未舗装の渓谷沿いの道を必死に走っていると、先の方の崖っぷちに女性が川を見つめながら立っていた。崖から下の河原まで20m位高さがあるから、危ないなぁ、大丈夫かなぁと思ったそうだ。
通過するときにチラリと見てみると、袖のない真っ白な服を着た、髪の長い女性で美人な感じだったらしい。電報の配達は一刻を争うので、そのまま声をかけずに配達先に向かった。
届け終わってまた同じ道を戻って来るときには、もうその女性はいなかったそうだ。