
474:本当にあった怖い名無し:2006/07/03(月) 13:00:32 ID:nzLij7lu0
幽霊を一度でも見てしまったら、生きていられない。
そんなものがほんとうにいると分かってしまったら、もうトイレの扉は開けられないし、
風呂場で頭を洗うのもできないだろう。普通に生活なんかできない。確実に発狂する。
そう思っていた。
アパートの退去期限が迫っていたので、俺は夜中まで作業をしていた。
電気はもう止めていたので、部屋のなかは真っ暗だった。
あと残っている家具はベッドとテレビと絨毯、カーテンのみになった。掃除はまだだが、
なんとか作業完了の目処は立った。
今度住む所は近場だったので、荷物はすべて手で運んだ。何十往復したか分からない。
時計を見ると午前3時。朝から20時間、休みなしだったので腰が痛い。脹脛は震える有様。
さすがに限界で、俺はベッドに腰掛け、煙草に火を点けた。3本立て続けに吸って、
しばらくぼうっとしていた。