09/07/18
二年前の夏休みの話。
友達の田舎が四国のど田舎なんだけど、部活の奴ら四人で旅行がてら泊めてもらうことになった。
瀬戸内海に面する岬の先端にある家で、当然家の真横はもう、すぐそこが海。みんなで泳いだり、浜で遊んだりノンビリして過ごした。
夜中、夜型の俺たちはいつまでも起きて騒いでいたが、
「暇だから外行こうぜ!」
という話になり、こっそり家を抜け出して浜に出て海を眺めたりして話していた。
夜の瀬戸内海はどんよりとした闇の中で静かに揺れていて、はるか対岸の岬に小さく見える光や本州に向かう暗い波間、それは綺麗でもあるけれど逃げ出したくなるほど陰鬱に不気味でもあった。