03/03/22
2年前の夏、大学からの帰りでの話。
駅からチャリで自宅に向かっている途中、遠くで黒い煙が立っているのが見えた。
「火事かな?ちょっと行ってみるか。」
と、野次馬根性まるだしで現場に行くと、かなり火が燃え上がっていた。
まだ消防車は到着していないようで、その家人らしき夫婦と近所の人、それから通行人らしき人たちがぼうぜんとその様子を眺めていた。
ふと2階に目をやると、窓際に少女がいる。何か叫んでいるように見えるが、声は聞こえない。恐怖で声が出ないんだろう。
「取り残されてる!やばい!」と思い、夫婦に声をかけた。