自分は子どもの頃から大学に入るまでずっと浜で育ったんだけど、海辺ならではの不思議な話がいろいろあった。
自分の家はその界隈で一件だけ漁師ではなく、親父は市役所の勤め人だった。
砂浜があって、国道があり、その後ろはすぐ山になっていて、その山の斜面にぽつんぽつんと家が建っていて、
浜に漁のための小屋があるようなところ。
自分が小学校頃までは、8月の最初の週、7日の日までは漁師は漁に出ちゃいけないことになっていて、
特に7日の晩から朝までは、子どもは家の外へも出ちゃいけないことになってた。
何でも、沖に『ふだらく様』の舟が来て、外に出ている子どもは引かれてしまうらしい。
こういうのは神隠しとか、普通は女の子が危ないんじゃないかと思うけど、
特に本家筋の跡取りの男の子なんかが危ない、という話だった。
大人達は集落の公民館に集まって朝まで酒飲むし、漁師だから喧嘩もする。
夏休み中の子どもは家でおはぎを食べて早く寝る、という日なんだ。
ただそんな日でも、国道は少ないながらもときたまは車が通ってるわけだし、
世の中が合理的になったのか、自分が中学校になる頃には行われなくなった。










