取り敢えず、子供の頃の話。今は都会へ引っ越してきてるんだが、子供の頃は村?(っていうか集落かもしれない)に住んでたときの話。
俺んちの裏には山が在った。なんの変哲もないただの山なんだが、詳細はそうでもなかった。
その山は村で、呪われていると噂されてたんだ。だから両親や祖父母からは「絶対に行くな」と念を押されたし、俺も流石に行かなかったんだ。
なんでも、山に入るとそれを期に良くないことが起きるらしい。それか、山の中で遭難(神隠し?)。
村では有名な心霊スポットであり、だれも行かない心霊スポットでもあった。でもそんな中、一定の人間だけは山へ行くことがあった。
それはいわゆる旅行客。恐らく、この村内だけの噂だったんだと思う、山が呪われているってのは。
村にはなんのお土産屋もないし、正直言ってなぜにこの村に旅行客が来るのかそれがなんとも疑問だった。そして山へ行くことも疑問だった。
しかしだ、旅行客は山へ入ってなにも起きなかったかのごとく降りてくる。いや、実際なにも起きなかったのだろう。
旅行客が言うには山の奥に、廃れた神社があったそうだ。ほかの旅行客も口々にそう言ってたから本当なんだろうなあと俺も思った。