
18/11/18
もう15年以上も前…中央アルプス・御嶽山でのこと。
ゴンドラを降り杜を潜る様に進み、その後ひたすら高度を稼ぐ行程で独立峰の為か連山の見晴らしとは縁のない上りで、時折登山者の「六根清浄!六根清浄!」と呟く声を耳に遺しながら既に老いの辛さも手伝ってか運動不足は応えたものでした。
僅に雨水を貯める二の池の小屋で泊まり、後は岩場を下山し三の池の御神水目指すのみとなった時…三の池を見下ろす私の肩の背後から声が聞こえた様な気がしたのです。
果て⁈ 誰か居るのやら「誰⁇」って振り向いても誰も居ない!周囲を廻った賽の河原にも、近くにも人などいない、其処に在るのは小さな祠だけ。
まさか⁉︎ この朽ち果てようとしている祠が自分を呼び止めたのだろうか? 「有ろう筈も無い。」とタカを括り、また辿ろうとすると肩を掴まれた様な感覚になって仕舞い。