実家は山の中の田舎だが、近所に見栄っ張りで有名な家族がいた。
特におばあさんが見栄っ張りで、息子や孫の自慢話ばかりすることで近所から嫌われていた。
ある日、そのおばあさんがうちの祖母に、
「私の家は名家だからもっとお墓を立派なものにしたい。広くして墓石も立派にしたい」と相談に来た。
多分一般的なことだと思うのだが、「墓を大きくすると家族がその分連れて行かれる」っていう話があると思う。
祖母もその話をして、墓の拡張をやめたほうがいいと忠告していた。
次にその見栄っ張りのおばあさんは、お墓の相談でお寺の住職の奧さんにも相談した。
奧さんももちろん反対した。
しかし、お寺も商売なので「広くするというのなら土地を買ってやってもらう分には構わない」という風に言ったらしい。
結局、その家族はお墓を2倍くらい広くして墓石も立派なものにし、そのお寺で一番大きなお墓になった。
もちろん色はモノトーンだが無骨な感じな墓石ではなく、かなり華美でちょっと嫌な感じがした。
特に面積を広げたことによって一部の通路が半分以下に狭くなり、みんな不満に思っていた。

