
三年前の話。当時21歳の俺は、高卒で就職して3年目に突入していた。
その会社がいわゆるブラック企業で、技術系に配属された俺は月1~2休暇の毎日が8時出勤、ほとんど毎日終電帰りという状態で、かなり疲れていたので今思うと、幻覚、幻聴の類だったのかもしれないと思う。
その日も、現場での仕事を終えて会社で資料を整理。結局資料はまとめきれず、しかし家には帰りたかったので終電で帰宅しようとした。するとその日は遅延が発生していたらしく終電ではなかった。
人のまばらな電車で毎日同じ時間、同じ車両に乗り続けていると、ある程度見知った顔ぶれというものができる。目が合っても会釈もしない関係だが「この人も毎日遅くまで大変だな」くらいにはお互い思っている事だろう。
