
17/07/22
うちの爺さん、若い頃に仲間と登山して遭難した経験があったんだよ。
四日くらい山の中を彷徨っててようやく救助されたらしいが助かったのは爺さんだけ。
でもその時に仲間に肩貸してて(もう死んでたらしいが)どうにか一緒に山を下りようとしたって事で
武勇伝というわけじゃないが一種の美談みたいな感じで親戚の間では有名だった。
それで俺が子供の頃なんだが、ある時爺さんに俺だけ呼ばれて内緒話された。
実は爺さんは仲間を助けようとしたわけじゃなかったらしい。
そもそも仲間とは遭難した時点でパニックになってて言い争いを繰り返す険悪な状態で、
食料も少なくギスギスしててとても助け合うような雰囲気じゃなかったらしい。
なのになんで仲間を運んでたのかというと食料が無くなった時の為だったと言った。
つまり、最悪の事態になったら仲間の死体を食うつもりだったらしい。