08/01/19
俺、小さい頃の記憶ってほとんど残ってないんだけど、ひとつだけものすごく鮮明に思い出せるのがある。
幼稚園の頃、俺は幽霊の女の子と遊んでた。その子は確か名前はリツコ。
はじめて会ったのは、当時住んでた団地の裏手に広がってた。
芝生の空き地で一人で遊んでたときだった。俺は彼女と出会い、しばらく一緒に遊んだ後、リツコは自分が幽霊であることを俺に明かした。
自分から正体を明かすなんて今思うとかなり珍しい種の幽霊だったと思う。
リツコは至極真剣な顔だったから、俺は彼女が嘘をついているようには見えなかった。実際よく見たら足がない。本物だと思った。